芸能

東出昌大、騒動乗り越え第2次ブレイク 山小屋生活で一皮むけ「社会派映画に欠かせない役者」に

東京を離れ、山小屋で狩猟生活をする東出昌大(時事通信フォト)

東京を離れ、山小屋で狩猟生活をする東出昌大(時事通信フォト)

 関東大震災時、被差別部落の行商一行が朝鮮人に間違えられて村民に虐殺された史実を描く映画『福田村事件』(9月1日公開、森達也監督)で、抜群の存在感を放ったのが東出昌大(35)だった。

「村八分にされた日本人青年役で、暴走する村民と被害者の間で懊悩する難しい立ち位置を熱演した。佇まい、声、表情と文句なし。かつて“棒読み俳優”と揶揄された大根ぶりが嘘のようでした」(映画誌ライター)

 3月にはファイル共有ソフトの裁判を巡る実話を元にした映画『Winny』、1月にも広島県の豪雨災害を描いた映画『とべない風船』と主演作が立て続けに公開され、「いまや社会派映画に欠かせない役者のひとり」(同前)に。

 東出といえば、2020年1月に唐田えりか(25)との不倫が『週刊文春』に報じられ、同年8月に元妻の杏(37)と離婚。以後、東京を離れ、山小屋で狩猟生活に入った。これで役者として一皮むけたと話すのは東出を知る映画関係者。

「完全に自給自足生活で、ありていにいえば“人間の生命力”が上がった。何事にも動じないというか、他者の評価を気にせず泰然としている。顔に余裕が出来ました。人間を深く見つめる目が養われたんでしょう。今後も複数の主演作が公開を控えているといいます」

 かつて東出のファンは女性が中心だったが、近年は男性ファンが増えてきたのも大きな変化だ。

「過ちを犯し、もがきながら脱皮した姿に惹かれるのかな。スキャンダルがなければいまも薄っぺらい役者のままだったかもしれません」(同前)

 東出自身、『オリコン』のインタビューでこう話していた。

〈物や人への執着が薄れて、期待することも、怒ることもなくなりましたね。動物たちって、食べること、自分が食べられないようにすること、子孫を残すこと、この3つだけをシンプルにやりながら生きているんですよ。そういう彼らと同じ目線に立って生活していると、そもそも怒りって必要なのかなとか、生きるって何だろうとか毎日考えています〉

〈山での生活は、相対的な評価や人から言われることよりも、朝は寒いとか川の水が冷たいとか、火は熱いとか、自分で体験して知っていくことが、東京の清潔な部屋にいるよりも多いんです。今後はこうして自然と一緒に生き、英気も養いながら、全身全霊で芝居に向き合っていきたい〉

 役者人生の第二章は始まったばかりだ。

※週刊ポスト2023年9月29日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン