お前、消されるぞ
もっとも、平本氏の発言にどこまで信ぴょう性があるのかにも検証は必要だろう。昨年配信された英国BBCのドキュメンタリー番組『J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル』で、ジャニー氏の性加害について取材を受けた平本氏は「ぼくはそこまで被害にあってない」と答えていた。
ところが、問題が大きくなると態度を一変。被害者を代表して前面に立ち、メディアの取材に対して「数え切れないほどの被害にあった」と語るようになったのだ。証言が変遷した理由を平本氏はこう説明する。
「ぼくが告発本を出したとき、世の中でジャニーズを攻撃しているのは自分ひとりでした。誰にも相談できなかったし、孤独な闘いだったんです。先輩から“お前、消されるぞ”って忠告されたけど、それでもどうすれば世間に関心を持ってもらえるかをずっと考えてきました。
いまでも、言っていないことはありますよ。言ったら自分が壊れるから。性被害なんて本当はみんな記憶からなくしたいんです。虐待にあってる子供も、親のことは好きって言いますよね。それと比べることはできないかもしれないけど、被害者ってそんな気持ちになってしまうことがあると思うんです」
過去のブログを削除した理由については、「誹謗中傷が殺到して、あまりにひどかったので、ホームページやSNSはほとんど8月中に消しました」と話した。平本氏は自分以外にも当事者の会のメンバーが心無い中傷に悩まされていることを打ち明けたが、今後も追及の手を緩めるつもりはないという。
本誌『女性セブン』は2023年9月7日発売号で滝沢に質問状を送り、ジャニー氏の性加害に対する見解やジャニーズアイランドの元社長としての監督責任などについて尋ねたが、いまだ回答はない。改めて平本氏の告発について質問すると、弁護士を通じて、「事実無根かつ当社及び滝沢の名誉・信用を毀損する内容であることは明らかです」と回答した。平本氏が続ける。
「滝沢に関して、当事者の会の中で彼への責任がどうこうという話は出たことがありません。責任を決めるのはジャニーズ事務所なので、ぼくにも答えようがない。ただ、個人的には彼の考えも聞いてみたいですね」
滝沢が率いるTOBEには、ジャニーズ事務所から独立したタレントの合流が相次ぎ、いまや「第2のジャニーズ」と呼ばれるほどの一大勢力を築いている。沈黙を続ける滝沢は自身の過去とどう向き合うのか──。
※女性セブン2023年10月5日号