スポーツ

巨人・阿部新監督と桑田二軍監督の“方向性の違い”に評論家苦言「桑田が余計なことしないといいが…」

独自色を打ち出している桑田真澄・二軍監督

独自色を打ち出している桑田真澄・二軍監督

 巨人・阿部慎之助新監督(44)が初の秋季キャンプに入った。新たに就任した桑田真澄・二軍監督(55)が「自分で考えて行動できる選手を育てたい」と“反スパルタ宣言”を発する一方、阿部監督は秋季キャンプについて「コンセプトは、“くったくた”になるまで練習すること」と発言。球団内部は一枚岩とはいかず、早くも暗雲が垂れ込めている──。【前後編の後編。前編から読む

根本から異なるスタイル

 阿部監督の発言を、スポーツ紙はこぞって「地獄の秋季キャンプ予告」などと報じた。巨人番記者が語る。

「秋季キャンプは主力、ベテラン組は免除されますが、主力から唯一参加した副主将の吉川尚輝(28)は阿部監督とマンツーマンの打ち込みを30分以上行なった。投手陣は阿部監督が見守るなか、ブルペンで投げたあと、トラック300mを制限時間内に走るメニューを8本走るなど、初日から文字通り“くったくたになる”まで練習することになりました」

 阿部監督の方針が、桑田氏のスタイルと根本から異なることは、練習風景の違いからも浮かび上がる。番記者が続ける。

「阿部監督のもとでの秋季キャンプが宮崎で幕を開けたのとまさに同じ日、桑田二軍監督はジャイアンツ球場での練習前に訓示し、『プロとしての意識を持ってほしい』と選手に伝え、『スポーツ医科学を活用して育成する』と明言した。桑田氏自身がグラウンドを動き回りつつも、若手の自主性に任せた練習を行なっていました」

 桑田氏は現役引退後、早稲田大学大学院、東京大学大学院でスポーツ医科学を学び、野球動作の研究に勤しんだ。「トレーニング法なども合理性を追求し、長時間の練習や懲罰的な指導を好まない」(同前)という。

 そうした考えをもとにどんどん独自色を打ち出している。二軍監督就任直後の秋季練習では、来年3月の春季キャンプの「改革案」に言及。前監督のもとで打撃チーフコーチを務めた大久保博元氏(56)が導入した、全体練習より早くグラウンドに入って早出練習に取り組む「アーリーワーク」について、桑田氏は「寒い朝にはいい練習ができない」と春季キャンプから廃止する方針を明らかにしている。

 桑田氏は所信表明で「阿部監督の方針を理解しながらやっていきたい」とも語っていたが、スパルタ指導の阿部監督とはあまりに対照的に見える。そうした2人が一軍と二軍を率いていることをどう捉えればいいのか。辛口評論家の江本孟紀氏はこう語る。

「今の巨人に欠けているのは厳しさであって、怒る時は怒って厳しくやるべき。阿部監督はそれができる稀有な人材です。私なんかは、桑田二軍監督が余計なことをしなければいいけどな……と思いますけどね。阿部とはタイプが違うし、二軍で優勝を狙っているようでは組織としてうまくいかない。二軍はあくまで、選手を育成してナンボですから」

関連記事

トピックス

球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン