コロナ禍に「免疫力を上げる」と注目されたビタミンDも、摂りすぎてはいけない。
「ビタミンDサプリで免疫力が向上するかどうかは定かではありませんし、カルシウムの吸収を促す作用により、摂りすぎると高カルシウム血症になることがある。腎臓結石や尿路結石のリスクも上がります」(長澤さん)
クロレラも、過剰摂取で光過敏症になることがあるとわかっている。中には、サプリそのものが健康問題につながるケースもある。
「肝機能を助けるという触れ込みのはずなのに、うこんは肝機能障害などの副作用が多く報告されています。一時期がん予防になるともてはやされたアガリクスのとあるサプリにがんの促進作用があることがわかり、問題になった事例もありました」(左巻さん)
「サプリメント」とは直訳で「補う」という意味。食事が不規則で栄養バランスが偏りがちな人が足りない栄養素のサプリをのむのは問題ないと、長澤さんは言う。
「乳酸菌やマルチビタミンなど、特に不足しやすい栄養素を、用法用量を守ってのむなら大丈夫です。ただし、病気の症状が改善したり、ダイエットできたり、さらに健康になることはありません」(長澤さん)
大量の情報が飛び交い、薬も、サプリも、ネットで簡単に購入できる時代になった。だからこそ、正しい情報を取捨選択できなければ、その無知が健康を損なうのだ。
※女性セブン2023年11月16日号