芸能

市川猿之助、罪が確定しても「性加害とパワハラは無視」の深い闇 復帰の方向で動く歌舞伎界、“裁判終了で幕引き”か

歌舞伎界は変われないのか(写真は猿之助)

歌舞伎界は変われないのか(写真は猿之助)

 400年以上を誇る歌舞伎の歴史において未曾有の凶行から、半年が過ぎようとしている。11月17日、歌舞伎役者・市川猿之助被告(47才)に判決が言い渡される。問われているのは、父・市川段四郎さん(享年76)と母(享年75)に睡眠導入剤を服用させ自殺を手助けしたとする自殺幇助の罪だ。

「先立って10月20日に行われた公判では、猿之助被告は起訴内容を“間違いありません”と認め、両親と3人で自殺することを決めたと明かしました。

 はじめのうち、段四郎さんは“舞台に対する責任はどうするのか”と自殺を思い留まるよう訴えていたそうです。しかし、母親は“ひとりで逝かせるわけにはいかない”と猿之助被告に同調し、段四郎さんも“ひとりだけ残されたくない”と話したので、両親の死を手伝ったと猿之助被告が明かしました。ただ、3人だけの密室でのことなので、真相は藪の中です」(全国紙社会部記者)

 一方で、猿之助は歌舞伎を「幼い頃から歌舞伎をやらせてもらい、私の存在そのもの」と話した。

「許されるのであれば歌舞伎にかかわり、舞台にも立ちたい。歌舞伎をすることで償っていきたい」

 そう明かした供述調書も読み上げられ、強い復帰の意思を示した。検察は懲役3年を求刑した。どのような判決であろうと、自殺幇助の罪を償い終えれば猿之助は自由に仕事を選べる身であり、歌舞伎界が受け入れるならば、歌舞伎への復帰を妨げるものは何もない。

「いま、歌舞伎興行は深刻な客離れと、歌舞伎ファンの高齢化にあえいでいます。客席を見渡すと、“これが本当に人気の伝統芸能か”と思ってしまうほどジリ貧なんです。歌舞伎の名門に生まれ、幼少からの稽古に裏打ちされた演技力に加え、演出家、プロデューサーとしての評価も高い猿之助は、数少ない“客を呼べる役者”。猿之助の復帰は、歌舞伎界の死活問題です」(演劇関係者)

 猿之助は保釈後、入院していた大学病院から、8月中旬に自宅に戻った。当時は、猿之助と同年代の歌舞伎役者のA氏が付きっきりで身の回りの世話をしていた。

「初公判近くからは、澤瀉屋一門の若手役者のB氏も、ずっと猿之助さんのそばでお世話をしています。まだまだ支援が必要な状態ですから、一門として、周辺への配慮も含めサポートしている状況です」(澤瀉屋関係者)

 歌舞伎役者であるはずのA氏やB氏が、自身が舞台に立つことなく猿之助のサポートに駆り出されている状況からも、猿之助の復帰ありきなのが見て取れる。さらに最近の猿之助からは着々と準備を進めている様子も伝わってくる。

「猿之助さんは、骨董収集家としての顔を持っています。少年時代から収集しており、仏像や浮世絵、茶器や皿などのコレクションは2000点を超えるそうで、総額は2億円になるともいわれています。そういった骨董品を、馴染みの骨董屋を通して売却したり、処分しているそうです」(別の澤瀉屋関係者)

 さらに、東京・目黒区内にある自宅でも変化があった。この自宅は、段四郎さんと母が命を落とした“事件現場”でもある。近隣住民が話す。

「最近は、70代くらいの高齢の男女が出入りしており、管理を任されているようです。つい先日は、『廃棄物処理』と書かれた車がしばらく止まっていました。あんなことがあった家ですから、いろいろと整理したいと思うのは自然なことなんでしょう」

 両親の死を後押しした「悲劇の役者」の復帰は、まるでよくできた歌舞伎演目のようだ。

関連記事

トピックス

和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
几帳面な字で獄中での生活や宇都宮氏への感謝を綴った、りりちゃんからの手紙
《深層レポート》「私人間やめたい」頂き女子りりちゃん、獄中からの手紙 足しげく面会に通う母親が明かした現在の様子
女性セブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン