「日本人であることは実は大きな利点です。懐に信長の草履を入れて温めた秀吉じゃないですが、日本人は相手が語らずとも気持ちを察して動きますよね。仕事における“小姓の気遣い”が海外で愛されるんです。そして、まじめな仕事ぶり。人が見ていなくても手を抜かず仕事を全うできることは、成功の近道です」
愛され力は、球界のあの人の姿も参考にしているそう。
「目指すは、“ファッション業界の大谷翔平”です。世界を舞台に着実に結果を出しながらも大物感を出さず、謙虚な人柄に周囲が魅了されてついていく。大谷さんの活躍にいつも元気をもらっています」
日爪さんが世界で勝負を続けるのは日本の若者へのエールでもある。「さとり世代」と言われ、野心のない若者たちの背中を押せる存在になれたらという熱い思いを秘める。
「現状の自分で想像できる範囲内で人生を決めるのはもったいない。ぼくは、ずっと興味のなかった帽子にかかわってみたことで、一生の仕事を得ました。人生には無限の可能性がある。そんな希望を届けられたらうれしいです」
いまではすっかり帽子好きと明かす、日爪さん。この日はソフト帽に合わせた三つ編みで登場。よりデザイン性の高い編み込みにも挑戦してみたいそう。目標は、「人類帽子計画」。世界中の人々の頭に日爪さんの帽子をのせてもらいたいと、野望を語った。
※女性セブン2023年12月14日号