夫には「友達と遊びに行く」という建前のため、20代の頃のような男ウケを狙った服装ではなく、主婦のちょっとしたお洒落着で参加する。その気楽さも心地よいという。
亜美さんは“ガス抜き”の意味合いについて、話し相手程度のこともあれば、肉体関係に発展する場合もあったと明かす。
「何回かランチや飲みに行ってエッチをした方もいましたね。でも私が冷めてしまって、男の人を振り回してしまったことが何度かあり、今は慎重になってます(笑)」
後ろめたさはないのかと問うと、あっけらかんとこう答えた。
「え、なんで? これも私が主婦として難なく日常生活をこなすために必要なガス抜きですから。夫には友達と遊びに行くって出かけてるし、実際にママ友と遊びに行くこともあるし」
欲しいのは「繋がり」
既婚者合コンのメイン層は圧倒的に40~50代の男女だ。子育てに手がかからなくなったから、と参加するようだ。そのメイン層でもある優子さん(50)はこう話す。
「夫とはもう2年ほどレスですが、一緒の時に本当の自分でいられる居心地のいい人だし、私にとっては最高の夫です」
そこまで言うのに、なぜ参加するのか。
「自分の寂しさを心も体も埋めてくれる人を探しています。夫以外に精神的な繋がりを持てる人が欲しいんです。子供からはお母さん、時にはオバさんと言われ、夫からも求められない。家族の誰からも女性として見られない寂しさです」
既婚者合コンに参加する女性は、マッチングアプリを通じたパパ活などよりも精神的な紐帯を求める傾向が強いようだ。だが、金銭を介さない関係がゆえに、男女の求めるものの違いが浮き彫りにもなってくる。
「会場で出会った男性で、2~3回お食事をしてエッチにまで至った方がいました。でもその方、エッチの翌日から連絡が途絶えてしまって……。とても悲しかったです」
取材の中で、婚外恋愛で肉体関係に発展するからこその男女のすれ違いやトラブルが見えてきた。2児の母で看護師の翔子さん(46)は言う。
「既婚者合コンで出会った方と1年付き合い、その彼が脳梗塞で倒れました。私のほうが病院選びや日々の対応はできるはずなのに、当たり前だけどその役割は奥様に譲らなければいけないのがどうにも許せず、お別れしました。彼は“妻と別れる気はないけど僕は君との関係も続けたい”と言ってきましたが、私には無理でした。私が本気になってしまったんです」