昨年5月、震度6強の地震に見舞われた珠洲市では、約1300棟の住宅が全壊・半壊する被害が生じていたが、被災家屋で火事場泥棒が起きていたと地元メディアが報じている。住民が避難し、留守となった家屋からエアコンやタイヤ、テレビなどが盗まれたという。
2011年の東日本大震災でも火事場泥棒は多数報告されていて、馳浩衆議院議員(当時。以下同)は同年8月に国会で政府に対し、窃盗等の犯罪件数や被害額について質問を行なっている。これに対する政府の答弁書で、地震発生から3か月の間に認知された窃盗件数は1万1129件、被害額は約37億円。検挙件数は2766件と明らかにされている。
一方で、SNSでは「中国人窃盗団がマイクロバスで被災地を回って窃盗をしている」というデマが流れた。この件は誤情報だったことが明らかになっているが、大規模地震が起きるたびに、同様の「外国人が集団で窃盗を行っている」といった差別に繋がりかねないデマが流れている。
被災地の住民たちは、自宅を荒らされる恐怖と不安を煽るデマの双方に悩まされている。