分裂状態となった直後の2015年9月、指定暴力団山口組の総本部に入る組関係者の車両(時事通信フォト)

分裂状態となった直後の2015年9月、指定暴力団山口組の総本部に入る組関係者の車両(時事通信フォト)

引退した組長が「総裁」としてとどまる理由

 2023年11月、六代目山口組では2つの組について代替わりはするが、当代は総裁になるという本部通達が出されたという。A氏は「以前なら、直参組長らが代替わりをして跡目を譲ると引退となり、名簿から名前が消え新たな組長の名前が載せられていた。だがこれからは代替わりしても引退できなくなる可能性が高い」と話す。理由は「分裂騒動が決着しなければ、司組長が引退することはない。六代目が代替わりしないのに、盃をもらった直参の組長が先に引退はできないだろう」というのだ。

 この通達による一連の動きを一部のメディアでは”総裁制度”と呼んでいる。これについて暴力団に詳しいジャーナリストは「組長の引退により子分も引退して組を抜けてしまうと、組織が弱体化してしまう。分裂前には100以上の組を抱える大所帯だった山口組が、今は半分以下の50あまりだ。これ以上、構成員が減少するのは避けたいはず」。また直参組長の引退時には、本部から功労金が出されると話す。「組長が引退せず総裁というポストに就けば、組としてこの金を払う必要がなくなる。暴対法や暴排条例に加え、分裂抗争にコロナ禍が重なり、いくら六代目山口組でも一時期の勢いや集金力はなくなっているだろう」。

 分裂騒動が未だ収束せぬまま総裁制度が定着すれば、高齢化が進んでいるといわれる六代目山口組では、年齢や体調不良などで代替わりしても事実上引退はできなくなる。組長らが功労金をもらって静かに老後を過ごしたいと願っても、叶わない夢となりそうだ。

 

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