国内

暴力団幹部が語った「ヤクザ冥利」に尽きる瞬間とは? 独特の高揚した感覚は今はほとんどナシ

席次が上位になるより高揚するときとは?(イメージ)

席次が上位になるより高揚するときとは?(イメージ)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、暴力団が「ヤクザ冥利」に尽きる機会について。

 * * *
 正月明け、ある暴力団の現役幹部から「ヤクザ冥利」という言葉を聞いた。ヤクザの新年について話を聞いていた時のことだ。ある組の三役についている幹部は、傘下に自分の組を構える組長でもある。

 年明けというタイミング、せっかくなので新年の抱負はあるかと問うと「そんなものありませんよ」と鼻で笑われた。抱負など親分に聞かれたことも、子分に聞いたこともないらしい。「若い頃なら大きな仕事を成功させたい、出世したいと思っただろうが、今はそんな機会すらなくなりつつある」。”そんな機会とは、どんな機会なのか”、気になって突っ込んでみると「ヤクザ冥利に尽きる機会」だという。

 古くから男冥利に尽きる、女冥利に尽きるという使い方をする冥利という言葉は、その立場や状態において、これ以上の恩恵や幸せはないと思う時に使われる。そのためヤクザ冥利は、ヤクザとしての実力が認められ、組織での序列が上がった時に使われるものかと想像した。組内での序列は重要で、名簿の役職や並びの順で上下関係が明確に区別されている。それがはっきり示されるのが事始めなどの儀式や会合だ。序列によって座布団の順番が変わるからだ。

 座る順番は名簿順、序列が上がればそれだけ上座に近くなる。座る場所でその者が組内で何番目に偉いのか一目瞭然だ。そのためヤクザにとって座布団の順番間違い”座布団が違う”という状況はメンツに関わり、揉め事になりえる事態。単なる間違いですませられるものではない。

 組の三役まで出世すれば、さらに座布団の位置が変わる。「今まで眺められていたのが、眺める側になる」と幹部がいうように、三役として組長の両横に並ぶため、見上げていたものが見下ろす側に座る。変わるのは場所だけでなく「座布団の厚さも変わる」と幹部は話す。「一目でわかるほどではないが少しだけ厚くなる」。座布団が変わり組員らを眺める側になった時にヤクザ冥利と言うかと思えば、これも違った。

関連キーワード

関連記事

トピックス

6月6日から公開されている映画『国宝』(インスタグラムより)
【吉沢亮の演技が絶賛】歌舞伎映画『国宝』はなぜ東宝の配給なのか 松竹は「回答する立場にはございません」としつつ、「盛況となりますよう期待しております」と異例の回答
NEWSポストセブン
さいたま市大宮区のマンション内で人骨が見つかった
《さいたま市頭蓋骨殺人》「マンションに警官や鑑識が出入りして…」頭蓋骨7年間保管の齋藤純容疑者の自宅で起きた“ある異変”「遺体を捨てたゴミ捨て場はすごく目立つ場所」
NEWSポストセブン
大谷翔平の投手復帰が待ち望まれている状況だが…
大谷翔平「二刀流復活でもドジャースV逸」の悲劇を防ぐカギは“7月末トレード” 最悪のシナリオは「中途半端な形で二刀流本格復活」
週刊ポスト
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
「生肉からの混入はあり得ないとの回答を得た」“ウジ虫混入ラーメン”騒動、来来亭が調査結果を公表…虫の特定には至らず
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン