芸能活動を支えてくれているのが、2011年、50歳のときに再婚した17歳年下のネイルアーティスト・志保さんだ。先日、結婚12周年を迎え、表参道のオシャレな焼き肉店で仲良くディナーを楽しんだ。
「もう12年経ったのか、と驚きました。ほとんどいつも一緒にいるんですけど、記念日は必ずお祝いしています。もともとゴルフという同じ趣味をもち、僕がボウリングにはまったら一緒に楽しんでくれるように。年の差があるからか、あまりケンカになりません。というか、趣味を楽しむにも1人より、一緒のほうが楽しいんです」
結婚12年でそんなふうに思えるとはすごい。失礼ながら、世間的には黒田さんといえばプレイボーイのイメージが強いのだが……。
「それは独身時代、たまたまお付き合いした相手が有名な方だったから、目立ってしまっただけですよ(笑)。お付き合いすると長くて、そんなに遊んだりもしませんでした。不器用で、一途な方なんです。誰も信じてくれませんけど(笑)。僕は六本木のバーで飲んでるイメージがあるみたいですけど、お酒は一滴も飲めず、お家が大好き、夜遊びはほとんどしないんです」
これは失礼。夫婦仲良しの秘訣は?
「残念ながら子どもができなかったので、逆に子ども中心の生活にならなかったのが良かったのかもしれません。もしかしたら、子どもや孫がいないことで、俳優としては父親や祖父の役を演じるチャンスを得にくいのかもしれませんが、夫婦としては、いつまでも出会ったときの気持ちとあまり変わらず、恋人のような気持ちのままです。
仲良くする秘訣としては、僕が何か心がけているというより、選んだ相手が良かったのかな。50歳まで、自分に合うパートナーとの縁を待って良かった(笑)。モノマネの仕事が入ったときは一緒にカラオケに行き、僕が新しいレパートリーを増やそうとあれこれ試行錯誤するのを嫁が見て、『もっとこうするといいんじゃない』とアドバイスをくれました。すごく協力してくれて、助けてもらっています」
取材後、嬉しそうに「これから嫁のところへ行くんですよ」と、夫人が渋谷区神宮前で経営するネイルサロン「Wish Nail」へ向かった黒田さん。「一途」というのは大げさな表現ではなかったようだ。
(了。前編を読む)
◆取材・文/中野裕子 撮影/山口比佐夫