ビジネス

人手不足解消に外国人労働者をあてにする経営者たち 日本人の仕事は奪われているのか

牛丼チェーンの店舗従業員で働く外国人は今や当たり前(イメージ)

牛丼チェーンの店舗従業員で働く外国人は今や当たり前(イメージ)

 外国人が日本で働くには就労ビザの取得が必要だ。そのビザの発給ルールの緩和や、条件の拡大などを求める動きが強まっている。たとえば、全国の従業員のうち一割が外国人だという大手コンビニ業界からは、「技術・人文知識・国際業務ビザ」にコンビニの店長やリーダー候補も加えようという働きかけが始まったと報じられた。高齢化と人口減少が続く日本では労働力不足の日本では、外国人労働者の位置づけが大きく変わろうとしている。ライターの宮添優氏が、主に日本人から敬遠され続けた仕事の現場で起きている変化についてレポートする。

 * * *
「かつては、日本人がやらない仕事を外国人が担う、というイメージでした。でも、はっきり申し上げたい。今は、外国人の方が優秀で、しっかり働いてくれる。少なくとも、私の店ではそうです」

 この数年で「外国人労働者」へのイメージが様変わりしたと話すのは、東京23区内にある牛丼チェーンの店舗で店長をつとめる相田正俊さん(仮名・40代)。かつて、安価な飲食店やコンビニの従業員が外国人であることに違和感を覚えた、という人は筆者を含め多いかもしれない。外国人従業員は日本語が下手で意思疎通がとりづらく、日本人のように愛想もないからサービスを特に求められない職場で働いているー。そんなイメージの中で語られてきた。

 しかし、最近では飲食店やコンビニに限らず、土木工事現場やアパレル店、さらには派遣会社を通じて役所で働く外国人労働者が増加している。ふと振り返ってみると、いつの間にか外国人労働者に抱いていた違和感が無くなった、という人も、これまた筆者を含め、少なくないはずだ。

 ところで、外国人労働者の日本国内における労働の現場と言えば、先述したような飲食店やコンビニなど低賃金の職場や、日本人がやりたがらないキツくて汚くて危険な、いわゆる「3K職場」がほとんどであった。その最たるものと思われてきた都内の建設・建築現場を覗けば、必ずと言ってよいほど外国人労働者の姿を見かける。ところが彼らはユンボ(パワーショベル)を操ったり、大型トラックを運転したり、難しい資格や技術を要する、単純労働以外の仕事も担っていることが少なくない。要するに、日本人が敬遠し続けてきた3K職場で、業務の中枢をすでに外国人が請け負い始めているのだ。

学ぼうという向上心もなく、文句を言うばかりの日本人

「労働者不足を解消するには、もはや外国人、移民しかない。すでに議論の余地はないというところまで来ている」

 こう話すのは、神奈川県内で土木工事会社を経営する本多勝幸さん(仮名・50代)。今では移民受け入れを認めている本多さんだが、日本の労働者不足の為に外国人技能実習生を頼ったり、移民を受け入れることに対してずっと違和感を持っていたという。しかし、にこの数年で「そうも言っていられなくなった」と肩を落とし、不安を口にする。

関連記事

トピックス

麻薬取締法違反容疑で家宅捜査を受けた米倉涼子
「8月が終わる…」米倉涼子が家宅捜索後に公式SNSで限定公開していたファンへの“ラストメッセージ”《FC会員が証言》
NEWSポストセブン
巨人を引退した長野久義、妻でテレビ朝日アナウンサーの下平さやか(左・時事通信フォト)
《結婚10年目に引退》巨人・長野久義、12歳年上妻のテレ朝・下平さやかアナが明かしていた夫への“不満” 「写真を断られて」
NEWSポストセブン
人気格闘技イベント「Breaking Down」に出場した格闘家のキム・ジェフン容疑者(35)が関税法違反などの疑いで逮捕、送検されていた(本人SNSより)
《3.5キロの“金メダル”密輸》全身タトゥーの巨漢…“元ヤクザ格闘家”キムジェフン容疑者の意外な素顔、犯行2か月前には〈娘のために一生懸命生きないと〉投稿も
NEWSポストセブン
司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
バスツアーを完遂したイボニー・ブルー(インスタグラムより)
《新入生をターゲットに…》「60人くらいと寝た」金髪美人インフルエンサー(26)、イギリスの大学めぐるバスツアーの海外進出に意欲
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【ハワイ別荘・泥沼訴訟に新展開】「大谷翔平があんたを訴えるぞ!と脅しを…」原告女性が「代理人・バレロ氏の横暴」を主張、「真美子さんと愛娘の存在」で変化か
NEWSポストセブン
小林夢果、川崎春花、阿部未悠
トリプルボギー不倫騒動のシード権争いに明暗 シーズン終盤で阿部未悠のみが圏内、川崎春花と小林夢果に残された希望は“一発逆転優勝”
週刊ポスト
ハワイ島の高級住宅開発を巡る訴訟で提訴された大谷翔平(時事通信フォト)
《テレビをつけたら大谷翔平》年間150億円…高騰し続ける大谷のCMスポンサー料、国内外で狙われる「真美子さんCM出演」の現実度
NEWSポストセブン
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の公判が神戸地裁で開かれた(右・時事通信)
「弟の死体で引きつけて…」祖母・母・弟をクロスボウで撃ち殺した野津英滉被告(28)、母親の遺体をリビングに引きずった「残忍すぎる理由」【公判詳報】
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《黒縁メガネで笑顔を浮かべ…“ラブホ通い詰め動画”が存在》前橋市長の「釈明会見」に止まぬ困惑と批判の声、市関係者は「動画を見た人は彼女の説明に違和感を持っている」
NEWSポストセブン
バイプレーヤーとして存在感を増している俳優・黒田大輔さん
《⼥⼦レスラー役の⼥優さんを泣かせてしまった…》バイプレーヤー・黒田大輔に出演依頼が絶えない理由、明かした俳優人生で「一番悩んだ役」
NEWSポストセブン