戦国英雄に関する授業がきっかけで、日本史はもちろん、城や合戦場を再現したり、地形や鎧兜、三国志まで、Mさんの長男の興味は連鎖的にぐんぐん広がっていった

戦国英雄に関する授業がきっかけで、日本史はもちろん、城や合戦場を再現したり、地形や鎧兜、三国志まで、Mさんの長男の興味は連鎖的にぐんぐん広がっていった

Mさんの長男(写真右)

Mさんの長男(写真右)

戦国英雄の授業から興味は城や地形にも

 その後、Mさんの子どもたちは三鷹市(東京)にある探究学舎の教室で行われた特別授業「探究スペシャル」にも参加した。

「探究スペシャル」とは、テーマごとに2日間計9時間かけて一気に学んでいくプログラム。途中、実験やクイズも織り交ぜた、体験型学習だ。

 戦国英雄について学んだ長男はすっかり歴史にはまり、つまようじで城を作り、画用紙で鎧兜をあつらえた。ついには合戦場や城のジオラマまで自力で作るまでになっていた。

「ここでの授業は、決して受け身ではありません。子どもの好奇心を伸ばしたり、広げたりできるよう、講師が全力でサポートしてくれる。だから、子どもの“やってみたい”という好奇心が止まらないんです」

 共感してもらえたという思いが、学びたい気持ちを後押ししていくのだろう。実際、ジオラマを作るうちに、Mさんの長男は地形にも、どんどん関心が広がっていったそうだ。

 一方の長女にも、大きな変化があった。

「もともと長女は感情表現が得意ではなく引っ込み思案。自分の考えがあっても、口に出せない娘でした」

 ところが、探究学舎に通ううちに、気づけば積極的な性格に。

「長女はSDGsに興味を持ち、自分で調べるようになりました。探究学舎では大勢の前でプレゼンする機会があるのですが、アンケートや募金を呼びかけるなど、その変わりように親の私がいちばん驚きました」

 中学生になると、地元のスーパーに掛け合って、「食品ロスのないスーパー」を目指すプロジェクトも立ち上げた。

「講師がしてくれたように、学校でも家庭でも、子どもが安心して発言できる場をつくってやれば、自分に自信が持てるようになるんだと思います」

Mさんの長女は、自分で決めたテーマを深掘りする経験を重ねて、内向的な性格が一変。募金活動にも取り組んだ

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(後編に続く)

取材・文/角山祥道 撮影/五十嵐美弥(女性セブン)

※女性セブン2024年2月22日号

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