ライフ

【その手軽さこそが問題に…】解熱鎮痛剤、風邪薬、咳止め薬、漢方薬…市販薬“のみ過ぎ”の危険性

(写真/PIXTA)

手軽に手に入る市販薬だが“のみ過ぎ”は危険(写真/PIXTA)

 全国に約6万店、コンビニよりも多いといわれる調剤薬局は、誰にとっても身近な存在。ドラッグストアも数を増やし続け、近年はオンラインで服薬指導が受けられるようになるなど、私たちは「いつでも」「どこでも」薬が手に入るようになった。都内在住の会社員・Kさん(48才/女性)は、先日仕事帰りに慌てて薬局に駆け込んだという。

「片頭痛持ちで気圧の変化に弱いので、いつも必ずかばんに頭痛薬を入れてるんですが、その日はちょうど切らしてしまっていてもう頭が痛くて痛くて。多めに購入して、ついでに毎年ひどい症状が出る花粉症の薬もピークが来る前に買い込みました」(Kさん)

 帰宅後早速、頭痛薬と花粉症対策の抗アレルギー薬をのんだというが、この“手軽さ”こそがいま、問題になっている。

咳止め薬の「OD」で中毒症状

 一般的に「薬」といっても、その種類は大きく3つに分類される。医師に処方箋を出してもらう処方薬(医療用医薬品)、処方薬から一般用医薬品になったばかりの要指導医薬品、そして一般医薬品だ。さらに一般医薬品には第1類から第3類まである。いわゆる市販薬といわれるのは、要指導医薬品と一般医薬品で、なかでも第2類(風邪薬や解熱鎮痛剤など)と第3類(整腸剤やビタミン剤など)は誰でも何種類でも自由に購入することができる。

 こうした状況下で発生する、市販薬の“濫用”に警鐘を鳴らすのは、日本初の「薬やめる科」を設けた松田医院和漢堂院長の松田史彦さんだ。

「用法・用量が細かに定められたうえで患者の手に渡る処方薬と違って、市販薬は歯止めがききません。要指導医薬品や、効き目の強い解熱鎮痛剤などの第1類医薬品については、薬剤師の説明が義務化されており薬局で一度に買える量が決められていますが、薬局をはしごすればいくらでも買うことができます」

 医療用医薬品だった薬を医師の処方箋なしで購入できるようにした「スイッチOTC医薬品」も増え、利便性はより広がっているが、松田さんはこう続ける。

「スイッチOTCは市販薬とはいえ、もともとは処方薬で副作用の危険性は高い。それでも、市販薬にしてしまえば処方薬でいるよりも格段に売れるので、製薬会社としてはスイッチOTCを推進したい事情もある。どんな成分がどれくらい含まれているかなどを精査せず、市販薬だからと気軽に服用するのは危険です」

関連記事

トピックス

都内の人気カフェで目撃された田中将大&里田まい夫妻(時事通信フォト/HPより))
《ファーム暮らしの夫と妻・里田まい》巨人・田中将大が人気カフェデートで見せた束の間の微笑…日米通算200勝を目前に「1軍から声が掛からない事情」
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
新横綱・大の里(時事通信フォト)
《横綱昇進》祖父が語る“怪物”大の里の子ども時代「生まれたときから大きく、朝ご飯は2回」「負けず嫌いじゃなかった」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ヤクザが路上で客引きをしていた男性を脅すのにトクリュウを呼んで逮捕された(時事通信フォト)
《ヤクザとトクリュウの上下関係が不明に》大阪ミナミでトクリュウを集めて客引き男性を脅して暴力団幹部が逮捕 この事件で”用心棒”はどっちだったのか 
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
新横綱・大の里(時事通信フォト))
《地元秘話》横綱昇進の“怪物”大の里は唯一無二の愛されキャラ「トイレにひとりで行けないくらい怖がり」「友達も多くてニコニコしてかわいい子だったわ」
NEWSポストセブン
ミスタープロ野球として、日本中から愛された長嶋茂雄さんが6月3日、89才で亡くなった
長島三奈さん、自身の誕生日に父・長嶋茂雄さんが死去 どんな思いで偉大すぎる父を長年サポートし続けてきたのか
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
金髪美女インフルエンサー(26)が “性的暴力を助長する”と批判殺到の「ふれあい動物園」企画直前にアカウント停止《1000人以上の男性と関係を持つ企画で話題に》
NEWSポストセブン
逮捕された波多野佑哉容疑者(共同通信)。現場になったラブホテル
《名古屋・美人局殺人》「事件現場の“女子大エリア”は治安が悪い」金髪ロングヘアの容疑者女性(19)が被害男性(32)に密着し…事件30分前に見せていた“親密そうな様子”
NEWSポストセブン
東京・昭島市周辺地域の下水処理を行っている多摩川上流水再生センター
《ウンコは資源》排泄大国ニッポンが抱える“黄金の資源”を活用できてない問題「江戸時代の取引金額は10億円前後」「北朝鮮では売買・窃盗の対象にも」
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン