また、Tさんが“出勤前の観戦”を日課にしているように日本では時差の関係で朝のうちに大谷を応援する機会が多い。大谷の大ファンで、倍率800倍の開幕戦ソウル観戦ツアーに当選した教育評論家の尾木直樹さん(77才)も毎朝、大谷の活躍を心待ちにしているひとり。
「NHKの速報を見て、生中継があればテレビで試合を見るのがルーティン。朝起きてまず大谷くんのことを考えられるのは、本当に幸せなこと。そのために仕事を早く終わらせてしっかり眠ろうと思うし、活力が湧いてお弁当作りにも精が出ます」(尾木さん)
こうした“朝オオタニ”の効果について、精神科医の渡邊宏行さんが語る。
「朝起きてすぐの時間帯は、大脳にあり感情の中枢をなす『扁桃体』が活性化するため、起床後3時間こそ脳が最も効率よく働く“ゴールデンタイム”だといわれます。つまりこの時間帯に大谷選手の活躍を目にして脳内にドーパミンが放出されることで、健康効果がより高まるといえる。このとき、屋外の光を浴びると脳内に覚醒を促すセロトニンが放出されて体のリズムが整い、睡眠ホルモンの分泌が止まるため、カーテンを開けることは忘れずに」
朝と大谷の相性のよさはかように抜群だが、テレビで試合を観戦する際は休憩を取ることも心がけたい。筑波大学体育系助教の辻大士さんは言う。
「テレビ観戦をしていると座りっぱなしになりやすいですが、30分以上座り続けていると体に悪い影響を与えるという調査結果もあります。大谷選手の打撃が終わるごとに立ち上がって室内を歩いてみるなど、適度に休憩を入れることが大切です」(辻さん)