芸能

アグネス・チャン、恩師・平尾昌晃への感謝「いつも長所を伸ばそうとしてくれた。だから“私はできる”と思えた」

アグネス・チャン、恩師・平尾昌晃への感謝

恩師への感謝を語るアグネス・チャン

 進むべき道を見失ったとき、未来が見えなくなったとき──そこで正しい方向に導いてくれるのが恩師の存在だ。17才で香港から来日し、半世紀経ったいまも歌手としてステージに立ち続けるアグネス・チャン(68才)の原動力は、『草原の輝き』をはじめとして数々のヒット曲を提供した作曲家・平尾昌晃さん(享年79)から受けた慈しみに満ちた薫陶だ。

「香港で歌手活動をしていたとき、出演していたテレビ番組にゲストでいらした平尾先生が、私のことを見つけてくれたことが日本デビューのきっかけです。だから平尾先生は、歌の恩師であるとともに、いまの私を作ってくれた恩人でもあるんです」(アグネス・以下同)

 当時の平尾さんは作曲家として人気の絶頂。多忙を極める中で、時間を見つけては来日したばかりの新人歌手に優しく寄り添った。

「素敵な曲をたくさんいただいたのはもちろん、あがり症だった私にいつも『緊張しなくてもいい、ありのままで充分だから』と声をかけてくれました。いちばん心に残っているのは、年を重ねて『もう少女じゃない私が歌ってもいいのかな……』とアイドル時代の曲を歌うことに悩んでいることを打ち明けたときのこと。

 先生は『いくつになってもその年齢でしか出せない歌手の味があるし、いい曲は永遠にいい曲だよ。何より、ファンはいまのアグネスが歌う「草原の輝き」が聴きたいのに“年を取ったから歌わない”と封印するのは愚かなこと』と、きっぱりおっしゃった。すごく励まされましたし、目が覚めたような思いでした」

 歌手として活躍しながら、カナダのトロント大学やアメリカのスタンフォード大学にも籍を置き、外へ外へと羽ばたいたアグネスは、「長所を伸ばそうとするのがいい先生」だと話す。

「平尾先生はいつも長所を伸ばそうとしてくれた」と振り返る。

「長所が伸びれば、ほかの部分も自然に育つ。“アグネスは部屋の中より大自然が似合う人”だからと、先生が私に作ってくれた歌はすべて外に出て歩く女の子のイメージです。私が海外に留学できたのも、3人の息子を育て上げられたのも、先生がいつも長所を見てくれていて“私はできる”と思えたから。いくつになっても私のいいところだけを見続けてくれた先生には、心から感謝しています」

平尾さんが作曲した『草原の輝き』で『日本レコード大賞』や『日本歌謡大賞』など数々の新人賞を獲得。アグネスにとって忘れられない一曲

平尾さんが作曲した『草原の輝き』で『日本レコード大賞』や『日本歌謡大賞』など数々の新人賞を獲得。アグネスにとって忘れられない一曲

【プロフィール】
アグネス・チャン/1955年香港生まれ。1972年『ひなげしの花』でデビュー。歌手活動の傍ら、米国スタンフォード大学に留学。ユニセフ・アジア親善大使も務める。

※女性セブン2024年4月11日号

歌手のアグネス・チャンが作曲家の平尾昌晃とのデュエット曲「香港国際空港」を発表

アグネス(右)を恩師として見守り続けた平尾昌晃さん(左)

関連キーワード

関連記事

トピックス

映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
日本初となる薬局で買える大正製薬の内臓脂肪減少薬「アライ」
日本上陸の内臓脂肪減少薬「アライ」 脂肪分解酵素の働きを抑制、摂取した脂肪の約25%が体内に吸収されず、代わりに体内の脂肪を消費
週刊ポスト
専修大サッカー部を辞任していた源平監督(アフロスポーツ)
《「障害者かと思った」と暴言か》専修大サッカー部監督がパワハラ・経理不正疑惑で辞任していた 大学は「警察に相談している」と回答
NEWSポストセブン
日本人パートナーがフランスの有名雑誌『Le Point』で悲痛な告白(写真/アフロ)
【300億円の財産はどうなるのか】アラン・ドロンのお家騒動「子供たちが日本人パートナーを告発」「子供たちは“仲間割れ”」のカオス状態 仏国民は高い関心
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
日本製鉄によるUSスチールの買収計画
【日本製鉄のUSスチール買収問題】バイデンもトランプも否定的だが「選挙中の発言に一喜一憂すべきではない」元経産官僚が読み解く
NEWSポストセブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン