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“SMAP小説”を上梓した鈴木おさむ氏、執筆の背景にある罪悪感と「メンバーには読んでほしくない」の真意

鈴木おさむ氏の思いとは

鈴木おさむ氏の思いとは

 3月で放送作家を引退した鈴木おさむ氏(51才)が最後の小説のテーマに選んだのは「SMAP」だった。「辞めないと書けないと思った」。そう覚悟して紡いだエピソードの数々は、なつかしく、ほほえましく、そして残酷だ。【前後編の前編。後編を読む

「スタッフさんって絶対に(メンバーと)乾杯したかったと思うんですけど、できていないんで……。『SMAP×SMAP』のスタッフに対しても、乾杯してもらっていいですか」

 放送作家の鈴木おさむ氏がそう語りかけると、稲垣吾郎(50才)、草なぎ剛(49才)、香取慎吾(47才)は「乾杯!」と口を揃えて、一斉にグラスを傾けた。

 3月31日に放送された稲垣、草なぎ、香取の3人によるインターネット番組『ななにー』(ABEMA)では、この日をもって放送作家、脚本家を引退する鈴木氏のお別れ会企画が配信された。1996年4月にスタートした『SMAP×SMAP』(フジテレビ系、以下『スマスマ』)の制作に放送開始当初からかかわった鈴木氏には、ある後悔があった。

「2016年12月末に『スマスマ』が最終回を迎えたとき、スタッフが開いた打ち上げの席にメンバーの姿は誰一人としてありませんでした。それをずっと悔やんでいた鈴木さんは、今回自らのお別れ会で、元SMAPの3人とともに『スマスマ』のスタッフを代表して乾杯したんです」(テレビ局関係者)

 8年越しの願いを叶えた鈴木氏は番組中に香取から「間違いなくSMAPを作った1人」と評価された。さらに番組終了後に行ったライブ配信には、鈴木氏と同い年で、「リーダー」と呼ぶ中居正広(51才)がサプライズで登場した。中居はライブ配信終了となる24時の30分前に電話で出演。軽快なトークで場を沸かせた。

「中居くんが『最後に私にダメ出しをお願いします』と頼むと、鈴木さんは『リーダーは自分で思ってるよりテレビに映っているとき、結構怖いときがあります』と笑顔で回答。中居くんは笑いながら『そういうのは言っちゃいけないんだって』と応じた。そして、『これからもまた何かの機会にお会いすると思います』と鈴木さんにはなむけの言葉を送りました」(芸能関係者)

 この配信を最後に、鈴木氏は32年間にわたる放送作家業と脚本家業に幕を下ろした。しかし、彼が再会を強く望んだもう1人の“同級生”は、最後まで幕引きの場に姿を現さなかった。

「もし彼らに言うとしたら、本当にありがとうの一言」──3月27日、SMAPをモチーフにした小説『もう明日が待っている』(文藝春秋)を上梓した鈴木氏は、31日の発売記念会見で、SMAPへの思いを語った。鈴木氏はもともと、書籍というかたちにまとめる予定はなかったという。

「この本は全9章で構成され、最初にそのうち1つが月刊『文藝春秋』に掲載され、SMAPファンや芸能関係者を驚かせました。なにせ暴露ともとられかねない内容も含まれますからね。最初に雑誌への執筆のオファーが来たときに断ろうと思ったそうですが、自身の体験をベースにした“小説”というかたちなら書けるのではないかと思いとどまったといいます」(鈴木氏の知人)

 あくまで小説という体裁で、SMAPというグループ名も登場しないが、登場人物は「リーダー」「タクヤ」「ゴロウチャン」「ツヨシ」「シンゴ」と、聞けば顔が浮かぶような名ばかりである。

「駆け出しの放送作家が若き日のアイドルグループと出会い、一緒に番組やコンサートを作り上げ、最後にグループが解散するまでの一部始終が描かれています。

 特に2016年1月の『スマスマ』での謝罪放送を思わせるエピソードは“当事者”の1人だった鈴木さんだから書けること。鈴木さんには当時、“葬式”とまで呼ばれたショッキングな映像を流したことへの罪悪感があり、何があったかを後世に残すために小説を執筆したとも聞きます」(前出・テレビ局関係者)

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