「メンバーには読んでほしくない」
同書は「モリクン」の脱退、月曜22時の看板バラエティーの制作秘話、「嵐を呼ぶ5人」というグループへの対抗意識など、国民的アイドルグループの歴史を「オサム」という放送作家の目線で小気味よく描く。
「2016年の謝罪放送では、放送直前に『ソウギョウケ』のトップの1人から指令が出て、どうしてメンバーがその場に立てているかを明確に述べるよう求められた。オサムは迷った末、優しいツヨシに、残酷なセリフを託してしまったことも明かされました」(前出・芸能関係者)
中でも際立つのが、鈴木氏と同じ1972年生まれの「リーダー」と「タクヤ」に向ける視線だ。
「同い年のタクヤに『結婚する』と打ち明けられ、マスコミ向け緊急会見のコメントやファンへの報告の仕方を一緒に考える場面や、謝罪放送当日に相談の電話をかけてきたタクヤが、後ろでオサムの子供が泣いたときに『ベビーの面倒はちゃんと見ろよ』という言葉をかけた場面など、タクヤの人間味あふれるエピソードが多く描かれている。
さらに、リーダーは、番組で5人旅をした際にカラオケで“ベストなフレンド”に向けた曲を泣きながら熱唱するなど、グループを愛して支える姿が印象的です」(前出・テレビ局関係者)
その場の様子がありありと浮かぶような珠玉のエピソードの数々だが、『週刊文春』(2024年4月4日号)での阿川佐和子との対談で、メンバーに同書を読んでほしいかと尋ねられた鈴木氏はこう答えた。
「読んでほしいかと問われると、その思いはないです」
前出のテレビ局関係者が語る。
「そうは言いつつも、鈴木さんはいまでも交流が続いている稲垣さん、草なぎさん、香取さんには発売前にある程度は本の内容を説明しているでしょうし、『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)などでずっと一緒に仕事をしていた中居さんにも、不義理にならないよう、事前に丁寧に話しているはず。
でも、木村拓哉さん(51才)とは、いまは距離があるように見えるので、どうコンタクトをとったのかが不明なんです。あるいは、彼には説明できていない可能性もある。だからこその“小説”だったのではないかと思います」
【後編に続く】
※女性セブン2024年4月18日