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【大谷翔平と山本由伸】日本で“一度だけの直接対決”から7年越しのドラマ 大谷が見抜いた“未完成なルーキーの真価”

優勝を決めた瞬間、笑顔でマウンドの大谷翔平(右)のもとへ向かう山本由伸(写真/共同通信社)

優勝を決めた瞬間、笑顔でマウンドの大谷翔平(右)のもとへ向かう山本由伸(写真/共同通信社)

 2024年シーズンからドジャースに加入した大谷翔平(29)と山本由伸(25)。ワールドチャンピオンを目指すチームで投打の柱として活躍する2人は、今から7年前の2017年に一度だけ“直接対決”を果たしていた。

 2017年シーズンは大谷のNPB最終年。一方の山本はドラフト4位で入団1年目のルーキーだった。9月26日のオリックス対日本ハム戦(京セラドーム)。背番号「43」をつけた19歳の山本は、自身4試合目の先発マウンドに立つ。そして1回表、先頭打者から3番の大谷まで、三者連続で空振り三振に抑えて見せた。

「あの年のドラ1が山岡泰輔(28)で、山本は開幕二軍スタートだった。最速151kmの強い球が投げられて三振の取れるピッチャーでした。ただ、スタミナがないというか、1試合投げると肘がパンパンに張っていた。まだ“未完成”でした」

 オリックスの投手コーチ経験もある山田久志氏はそう振り返る。

 立ち上がりこそ上々だった山本だが、この日の大谷も黙ってはいなかった。3回の第2打席、センターへの犠牲フライで先制すると、5回の第3打席にはセンターへのクリーンヒットを放った。オリックスのスタジアムDJを務めていたDJケチャップ氏が語る。

「由伸はルーキーの頃からスピードよりコントロールで抑えていたイメージが強かった。大谷との対決は一試合だけでしたが、野茂対清原のようなパ・リーグの名勝負になったと思いますね」

 大谷は試合後、山本を「今年対戦した投手で一番」と評す。すでに名を轟かせていた二刀流には、未完成なルーキーの真価が見えていたのだろう。

 翌2018年、山本は中継ぎとして54試合に登板し、32ホールドの成績を残して開花した。2019年に先発転向すると、2021~2023年には18勝、15勝、16勝をあげて3年連続で最多勝に輝くなど、投手タイトルを独占。日本を代表する投手に成長した。前出の山田氏が言う。

「山本が大きく変わったのは1年目のオフ、グローブをつけた左手を捕手方向に伸ばすような投球フォームに変更してから。身体への負担が減り、球威もさらに増した。成長した山本と大谷の対戦も見たかった」

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