国内

《洗脳実態レポート》祈祷師を訪ね新興宗教に何千万円も寄付したのち元暴力団員の占い師の男を信じた資産家夫婦の末路

黒魔術で呪いをかけられたというモルディブのムイズ大統領(左、AFP=時事)

黒魔術で呪いをかけられたというモルディブのムイズ大統領(左、AFP=時事)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、元暴力団員の占い師を盲信した資産家一家の末路について。

 * * *
“黒魔術で政府高官を逮捕”という信じがたいニュースが6月30日に報じられた。場所は南アジアの島国モルディブ。逮捕されたのは環境副大臣のファティマス・シャムナズ・アリ・サリーム他2人。呪いをかけられたというのはモルディブのムイズ大統領だ。モルディブでは黒魔術で他人を呪うことができると信じられており、イスラム法では禁固6か月の刑が科されるという。相手に呪いをかけた容疑で逮捕される、日本においてはにわかに信じがたい話だが、呪術や占いでトラブルになるケースは日本でも後を絶たない。

 10年ほど前、ある資産家夫婦が相次いて隅田川に身を投げて亡くなった。事件性はないと警察は判断したが、彼らを追い込んだのは占い師の男だった。夫婦はいくつもの会社や店を経営し、息子と娘も経営に携わっていた。資産もあり会社の経営も順調、後継者もいる。その夫婦がなぜその占い師を頼ってしまったのか。

 夫婦が占いや宗教に頼ったのは、これが初めてではなかった。生まれた長女に発達障害がみられたことで、健康に成長してほしいと夫婦はあちこちの神社仏閣に祈願にいったという。そのうちあっちの祈祷師が利く、こっちの占い師がいいと周囲から紹介されるようになる。神頼みと思いつつそれでよくなるならとお金を使った。

 一時は新興宗教にはまったこともあった。子供も連れて教義を聞き、礼拝を行い、印鑑や数珠、壺などを購入し何千万円も寄付した。寄付すればそれだけ自分たちの罪は贖罪され、子供たちに平穏が訪れると信じたが、長女は学校でいじめにあってしまう。デフレが続く日本経済のあおりをうけ、会社の業績も低迷。宗教に頼ったのは間違いだったと脱退する。

 その後、仕事先の紹介で出会ったのが50代の占い師の男だった。男はさも自分の占いが当たるかのように演出した。家族の過去について言い当てられた夫婦は、この男を信じてしまう。だが探偵に素性を調査してもらった親族によると、男はマルチ商法や投資詐欺で有罪となり服役したことのある元暴力団組員。夫婦については事前に調べていたようだという。彼らは最初から狙われていたのだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン