芸能

《私の最初の晩餐》津田寛治が明かす幼い頃に食べた「福井名物ソースカツ丼」と「越前おろしそば」、“昭和の男”だった父との思い出

津田寛治が明かす父との思い出の味とは(写真/深澤慎平)

津田寛治が明かす父との思い出の味とは

「最初に食べたご馳走はなんですか?」。子供の頃に母が作ってくれた料理、上京したときのレストラン、初任給で行った高級店……。著名人の記憶に刻まれている「初めて食べた忘れられない味」を語ってもらい、証言をもとに料理を再現するこの企画。今回は津田寛治さんに、忘れられないご馳走を教えていただきました。

 高校を中退し、俳優を目指して福井県から上京した津田寛治さん。飽きっぽいところや、皆で一緒に同じことをやらなきゃならない集団生活みたいなものになじめないのは、父親譲りだと語る。

 津田さんが望めば、いくらでもおもちゃを買い与え、時には店主がいさめるほど子煩悩だった父は、同時に寡黙な「昭和の男」でもあったという──。

 * * *

 父はペンキ屋さんとか職人系の仕事を転々とした後、ぼくが小学校低学年のときには「サンデー福井」というミニコミ紙のようなローカル新聞を作っていました。自分で取材をして、記事を書いて、封筒に入れて送るところまで全部やるんです。けっこう忙しくしていて、あまり会話をした記憶もありません。

 この頃、外食といえば、おそば屋さん。近所の用水路のような小川のほとりに、小体な昔ながらのお店がありました。注文するメニューはいつも同じで、父は越前おろしそば、母はソースカツ丼。ぼくは、ざるそば。福井では、おそば屋さんのメニューに、ソースカツ丼があるのは定番なんです。

 ソースカツ丼は信州や福島、群馬などでも名物ですが、ご飯の上にキャベツを敷いて、その上にカツというのが一般的ですよね。福井のソースカツ丼は、ヨーロッパ軒という洋食屋さんが発祥とされています。ドイツで修業をした創業者がシュニッツェルから着想を得たもので、ご飯の上にソースカツだけがのっている。

 いま、福井のソースカツ丼というと、肉の枚数だったり切らないスタイルだったり、ヨーロッパ軒さんに寄せたものが多いですが、ぼくが小さい頃はもっと自由な感じでしたけどね。母が食べていたソースカツ丼には、10切れぐらいカツがのっていました。いつも丼の蓋にいくつかのせて、ぼくにくれるんです。

関連記事

トピックス

(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン