牧原秀樹・法相(埼玉5区)も厳しい。
過去6回の選挙で連続して立憲民主党の枝野幸男・元代表に敗れ、小選挙区で勝ったことがない(比例復活で5回当選)。
旧統一教会が2021年にさいたま市で開いた「祝福結婚と希望前進大会」で挨拶していたことが報じられたが、自民党の調査には回答を拒否したことから、公表された教団と接点のあった議員には名前が記載されていないなど、法相としての資質が疑問視されている。
もう1人が坂井学・国家公安委員長(神奈川5区)だ。
菅義偉・元首相の側近として知られ、念願の初入閣を果たした。しかし、NTTの接待問題では坂井氏も総務副大臣時代に同社から接待を受けていたことが発覚し、国会で釈明に追われた。旧統一教会との接点があった政治家の1人でもある。
「神奈川5区は立憲の現職と維新の新人が出馬し、野党が票を食い合うため情勢は現職大臣の坂井氏がやや有利だが、野党が候補を一本化すれば形勢逆転する可能性が高い」
せっかく初入閣を果たしたのに、落選すれば「大臣在任27日間」という超短命に終わるケースが出てきそうだ。
(第2回に続く)
【プロフィール】
野上忠興(のがみ・ただおき)/1940年、東京生まれ。政治ジャーナリスト。1964年に早稲田大学を卒業後、共同通信社に入社。1972年より政治部、自民党福田派・安倍派(清和政策研究会)の番記者を長く務めた。自民党キャップ、政治部次長などを歴任後、2000年に退職し、フリーに。『安倍晋三 沈黙の仮面: その血脈と生い立ちの秘密』(小社刊)など著書多数。
※週刊ポスト2024年10月18・25日号
訂正/当初、表中で茨城7区の中村勇太氏を立憲からの出馬と表記していましたが、無所属で出馬予定の誤りであり、表中の表記を修正しました。(2024年10月7日16:00)