ストライキ時には社長への抗議文が

ストライキ時には社長への抗議文が

「一緒に頑張った仲間同士が、将来悪口を言い合う結末だけは避けたいと思いました。ストの勝ち負けより大事にするのはそこでした。

 そのことを伝えるために、会議室で全員を前に『皆さん、資金はあと2日で尽きます。皆さんにはそれぞれ生活があり、個別の事情も痛いほどわかります。今回の会社側からの申し出に応じたとしても、裏切りではありません。残る人たちも、抜けた人たちを悪く思わないでください。裏切りどころか、こんなに長い間1つになって動けたことを誇りに思っています。今までありがとうございます』と、伝えました。会議室は悲しい雰囲気に包まれました」

 その日の夜、会社側から仲介者を通じて加藤氏に口頭で連絡があった。

「内容は『全員復帰してほしい』というものでした。我々はそれまでの経緯もあり、この会社側の申し出をにわかに信じられませんでした。数日間かけて確認を行い、事実だと知り、ようやく歓喜しました。自分の解雇が原因で始まったストでしたから、なんとか区切りを付けられて肩の荷が下りた思いでした」

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