芸能

石坂浩二が明かす、名演出家・名監督との交流「浅利慶太さんの助手として働いた忙しい日々」「出番がなくても毎日通った市川崑監督の現場」

'79年のNHK大河ドラマ『草燃える』の記者発表にて。石坂は主人公の源頼朝役に。左から国広富之、真野響子、石坂、岩下志麻、松平健

1979年のNHK大河ドラマ『草燃える』の記者発表にて。石坂は主人公の源頼朝役に。左から国広富之、真野響子、石坂、岩下志麻、松平健

 芸歴66年。デビュー直後から多忙を極め、いまなお映画やドラマへのオファーがやまない石坂浩二(83才)。高校時代に民放ラジオで台本を書くなど、若くしてその才能を開花させてきた。そして、そんな石坂に影響を与えたのが、浅利慶太さんや市川崑さんといった名演出家や名監督だ。2人の重鎮との交流を石坂が振り返る【全3回の第2回。第1回から読む】

故・浅利慶太さんに揉まれて愛されて

 もともと勉強家の石坂だったが、縁にも恵まれた。なかでも「劇団四季」の創設者である故・浅利慶太さんからはさまざまな影響を受けたという。

「高校、大学の先輩でもある浅利さんが“卒業後はうちにこないか”と誘ってくださいました。それで入ったのが『劇団四季』でした。主に浅利さんの演出助手が仕事だったのですが、眠る時間がないほど忙しかった。浅利さんはテーマをつかむのがうまく、演出的な発想は秀逸。とはいえ、今日言ったことが翌日には覆されるので、助手がいないと形にならなかったんです」(石坂・以下同)

 石坂の仕事は、浅利さんの希望通りの演出ができるよう段取りをつけることだった。

「このときは何でもやりました。浅利さんの食事の手配もしていましたね。稽古場の近くに浅利さんお気に入りの飲食店が3軒あって、浅利さんが食べたいと思うであろう献立を予測して手配し、食べたいであろうタイミングを見計らって出す──これがなかなか難しかった(笑い)」

 石坂はさらに台本の内容チェックや翻訳も担当。俳優としてテレビドラマの仕事もこなしており、疲労はピークに達した。

「結果、収録中に胃潰瘍で倒れて入院することになりました」

 石坂はこれを機に「劇団四季」を退団。浅利さんがこれをどんなに惜しんだかは言うまでもない。その後も「帰ってくる気はないよね」と何度も打診されたという。

 役者でありながら脚本家や演出家としての経験と視点を持つ石坂。これもまた、長年業界で求め続けられるゆえんであろう。

関連記事

トピックス

交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
身長145cmと小柄ながら圧倒的な存在感を放つ岸みゆ
【身長145cmのグラビアスター】#ババババンビ・岸みゆ「白黒プレゼントページでデビュー」から「ファースト写真集重版」までの成功物語
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
《長野立てこもり4人殺害事件初公判》「部屋に盗聴器が仕掛けられ、いつでも悪口が聞こえてくる……」被告が語っていた事件前の“妄想”と父親の“悔恨”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン