国内

《デマに数千人殺到》「高額報酬バイト」に群がる若者たち トクリュウとつながり闇バイトや悪質スカウトに取り込まれる可能性も

高齢男性の遺体が見つかった民家の周辺。10月16日午後、横浜市青葉区。連続強盗との関連が疑われている(時事通信フォト)

高齢男性の遺体が見つかった民家の周辺。10月16日午後、横浜市青葉区。連続強盗との関連が疑われている(時事通信フォト)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は「トクリュウ」とつながる可能性があるSNSでのバイト募集について。

 * * *
 10月2日、埼玉県所沢市の住宅街で緊縛強盗事件が起きた。被害者は所沢市の住宅に住む85歳と83歳の老夫婦。犯人の男4人は「金を出せ」と老夫婦を脅し、粘着テープで縛った上に刃物のようなもので腕を切りつけ、現金約8万円を奪った。だが犯人とみられる男たち3人は事件発生から数時間で逮捕された。この事件では警察官に追いかけられ、走って逃げる映像が公開された。

 男たちは警察で「SNSを使って闇バイトに応募した」と話し、容疑を認めているという。互いに面識はなく、秘匿性の高いアプリを利用して連絡を取っていたとみられている。首都圏で高齢者を狙う金額強盗が相次いでいる。どの事件も逮捕された容疑者らは皆、「闇バイトに応募した」と話しているといい、いずれも「トクリュウ」によるものだとみられている。

 トクリュウとは、匿名・流動型犯罪グループの略である。その特徴は、自分たちでグループ名を名乗っていないことだ。匿名性の高いSNSで実行役と連絡をとっているため、指示役を特定しにくくなっている。

 もう1つの特徴として挙げられるのが流動性が高いことだ。闇バイトなどでその都度、実行役を集めるためメンバーが入れ替わる。特殊詐欺の実行犯として逮捕されたり、強盗事件で逮捕される容疑者のように、実行犯は使い捨てのコマでしかない。

 昭和や平成初期の頃、緊縛強盗といえば日本に強盗で出稼ぎにきていた韓国人グループや中国人グループの犯行が多かった。彼らは仲間内の数人で入国し、何件が強盗しては出国して国へ戻る、を繰り返した。ほとぼりが冷めた頃を見計らって別の数人が入国、「入国時期によりメンバーが入れ替わり立ち代わりしたため、容疑者全員を特定し逮捕するのが至難だった」と、当時、緊縛強盗事件を担当していた元刑事は語る。

 当初彼らは主に同郷の者を狙った。同じ民族の方が生活習慣や行動傾向が読めるからだ。次に金があるという噂のある家を狙ったという。彼らはグループのメンバーで犯罪を行っていた。「見知らぬ者を犯行グループにいれると、突発的なことに対処できない。パニックになって何をするかわからない。自分たちが捕まるリスクが高まるため、彼らは仲間のメンバーで犯行に及んでいた」(元刑事)。

関連キーワード

関連記事

トピックス

不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《スクショがない…》田中圭と永野芽郁、不倫の“決定的証拠”となるはずのLINE画像が公開されない理由
NEWSポストセブン
多忙の中、子育てに向き合っている城島
《幸せ姿》TOKIO城島茂(54)が街中で見せたリーダーでも社長でもない“パパとしての顔”と、自宅で「嫁」「姑」と立ち向かう“困難”
NEWSポストセブン
小室圭さんの“イクメン化”を後押しする職場環境とは…?
《眞子さんのゆったりすぎるコートにマタニティ説浮上》小室圭さんの“イクメン”化待ったなし 勤務先の育休制度は「アメリカでは破格の待遇」
NEWSポストセブン
女性アイドルグループ・道玄坂69
女性アイドルグループ「道玄坂69」がメンバーの性被害を告発 “薬物のようなものを使用”加害者とされる有名ナンパ師が反論
NEWSポストセブン
遺体には電気ショックによる骨折、擦り傷などもみられた(Instagramより現在は削除済み)
《ロシア勾留中に死亡》「脳や眼球が摘出されていた」「電気ショックの火傷も…」行方不明のウクライナ女性記者(27)、返還された遺体に“激しい拷問の痕”
NEWSポストセブン
当時のスイカ頭とテンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《“テンテン”のイメージが強すぎて…》キョンシー映画『幽幻道士』で一世風靡した天才子役の苦悩、女優復帰に立ちはだかった“かつての自分”と決別した理由「テンテン改名に未練はありません」
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
《ヤクザの“ドン”の葬儀》六代目山口組・司忍組長や「分裂抗争キーマン」ら大物ヤクザが稲川会・清田総裁の弔問に…「暴対法下の組葬のリアル」
NEWSポストセブン
1970~1990年代にかけてワイドショーで活躍した東海林さんは、御年90歳
《主人じゃなかったら“リポーターの東海林のり子”はいなかった》7年前に看取った夫「定年後に患ったアルコール依存症の闘病生活」子どものお弁当作りや家事を支えてくれて
NEWSポストセブン
テンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《キョンシーブーム『幽幻道士』美少女子役テンテンの現在》7歳で挑んだ「チビクロとのキスシーン」の本音、キョンシーの“棺”が寝床だった過酷撮影
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚することがわかった
女優・趣里の結婚相手は“結婚詐欺疑惑”BE:FIRST三山凌輝、父の水谷豊が娘に求める「恋愛のかたち」
NEWSポストセブン
タレントで医師の西川史子。SNSは1年3ヶ月間更新されていない(写真は2009年)
《脳出血で活動休止中・西川史子の現在》昨年末に「1億円マンション売却」、勤務先クリニックは休職、SNS投稿はストップ…復帰を目指して万全の体制でリハビリ
NEWSポストセブン
太田基裕に恋人が発覚(左:SNSより)
人気2.5次元俳優・太田基裕(38)が元国民的アイドルと“真剣同棲愛”「2人は絶妙な距離を空けて歩いていました」《プロアイドルならではの隠密デート》
NEWSポストセブン