衆院選挙の開票が始まり、報道各社のインタビューを受ける自民党の小泉進次郎選対委員長。10月27日午後、東京・永田町の同党本部(時事通信フォト)

衆院選挙の開票が始まり、報道各社のインタビューを受ける自民党の小泉進次郎選対委員長。10月27日午後、東京・永田町の同党本部(時事通信フォト)

「目標を掲げて結果が出なかった。執行部が責任を負うべき」「選挙は結果がすべて」「この結果の責任を取って辞表を提出して、受理された」とコメントし、記者たちがどのように質問しようと返答は同じことを繰り返した。環境相時代の小泉氏なら、記者が同じような内容の質問に言い方を変えて突っ込んでくると、イライラするのか身体を前後左右に揺らしたものだが、この日は全く身体が揺れることはなかった。それだけ、ここで辞任するという意思は固く、理由がはっきりしていたのだろう。

 記者団の前に立ち「選対委員長を辞任した、辞表を出した」と述べた時は、口元を固く結んで厳しい表情を見せた。”幹事長や総裁から選挙の責任を取るという言葉はなかったのか”と投げかけられたが、これには頷くことなく、「選挙は選対委員長の責任」と何度も頷き、「私が責任を取ることだと思う」とうつむき加減で述べた。”総裁からの慰留はあったのか”という問いには「中のやりとりは控えます」ときっぱりと言い切り、「辞表を提出し、総理に受理された。それが事実」とうつむいて口をつぐむ。潔く責任を取って身を引く姿を印象付けた。

 だが選挙戦の背景について問われると、「政治と金の問題」について顔を上げて説明し、「決着をつけてこられなかった」「国民のご理解を得られるような環境を作れなかった」と淡々と述べた。非公認の候補が代表を務める政党支部へ2000万円の政党交付金が支給されていたことには、「たらればを言えばキリがない」とここでも顔を上げた。「執行部になって初めてわかったことがある」「党の中で変わらなければならないことがたくさんある」と、前を向いて何度も頷く。選対委員長ではあったものの自分が知らなかった、知らされなかった事実、どうにもできなかった党環境を前に、このままいても仕方ないと立場をリセットしようとしたのだろうか。

 自民党政権の存続が危ぶまれる今、小泉氏が再び政権の表舞台で活躍するのはいつになるだろう。

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