それだけに、突然の華やかな“元ファーストレディ外交”の背後には様々な思惑が見え隠れする。政治ジャーナリストの野上忠興氏が言う。

「昭恵さんがトランプ夫妻と会食しても日本外交に影響があるとは思えません。ただし、昭恵さんは安倍晋三・元首相の政治団体『晋和会』の代表を引き継いでいる。同団体には2億円超の政治資金が残されており、“巨額のカネを非課税で相続した”との批判がある。それだけに、トランプ氏との面会は”ちゃんと政治活動をしている”と見せて批判を和らげる効果はあるのではないか」

 注目されるのはどのルートを通じてトランプ氏との面会が成立したかだ。

「官邸内では、4月に訪米して大統領選前にトランプ氏と会った麻生太郎・元首相や、安倍元首相の側近たちの個人的パイプが使われたと囁かれています。トランプに会えていない石破首相に恥をかかせるために仕掛けたという見方です。たしかに石破氏は安倍政権時代に反執行部だったし、麻生政権時代には閣僚ながら“麻生おろし”の先頭に立った経緯もある」(自民党関係者)

 先の総裁選でも麻生氏は高市早苗・経済安保相を推し、石破氏の当選阻止に動いていた。

 昭恵夫人の訪米にも関わったのか事務所を通じて麻生氏に問うたが、締め切りまでに回答はなかった。

 どこまでの狙いがある面会だったのか。

※週刊ポスト2025年1月3・10日号

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