仁科亜季子さんとは2つの施設を運営しながら就労支援を続けている

母の亜季子さんと福祉事業に取り組んでいる

役者業とは別に取り組む事業

 仁科さんは近年、亡き父・松方さんの持ち役であった『遠山の金さん』を舞台で演じるなど、活躍の場を広げている。このまま芸能界に身を置いて仕事と向き合っていくのかと思いきや、実は今、役者業の傍らで取り組んでいる事業があるという。

「2023年6月に宮崎県の日南市に、ITに特化した就労支援施設のフランチャイズ『ヒカリマーリン』をオープンしました。障害を持つ方々に対してプログラミング言語やウェブデザインなどの専門講師による個別指導を行い、生活的、経済的、精神的自立のサポートをしています」

 きっかけは、提携パートナーであるガルヒ就労支援サービス合同会社のCEO・宮脇正氏と釣り番組を通して知り合い、施設の見学に行ったことだった。

「身体に障害を持つ方もいれば、精神的に障害を抱えている方、知的障害がある方が一緒に学ばれているのですが、その真剣なまなざしを前に、“人って、こんなに一生懸命、何かに打ち込めるのか”と思いました。障害を持つ方は、全国にたくさんいますが、今まであまり視界に入れないようにして生きてきたのかもしれないと思い当たり、ハッとしました。同時に、少しでも彼らのサポートができれば、と強く感じたんです」

 東京に戻り、母に打ち明けたところ、「一緒にやろう」とトントン拍子に話が進んだ。オープンから1年半近く経った今は、2つの施設を運営しながら、約25人ほどの就労支援を続けている。

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