芸能

「アンヌ隊員」ひし美ゆり子、「10代最後の記念」手塚さとみ、「へそだけは見せない」由美かおる…日本社会に大きな活力を与えた「1980~90年代のグラビア写真集」ガイド

ひし美ゆり子『ひし美ゆり子写真集 All of Anne:2021』(2021年/復刊ドットコム)

ひし美ゆり子『ひし美ゆり子写真集 All of Anne:2021』(2021年/復刊ドットコム)

 1980~1990年代のアイドル黄金期のグラビアは日本社会に大きな活力を与えた──。日本初のグラビア写真集ガイド『一度は見たい!アイドル&グラビア名作写真集ガイド』を1月24日に上梓するグラビア評論家の徳重龍徳氏が、1980~1990年代のグラビア写真集の名作をガイドする。

 * * *
 令和の現在、アイドルはもはや誰でもなれる職業となったが、「アイドル黄金期」と呼ばれた1980年代は選ばれし者だけがなれる特別な職業だった。被写体のレベルは高く、中森明菜や小泉今日子といったトップアイドルも水着になった。後の大物女優たちが映画や写真集で脱ぐことも多く、裸になることへの抵抗感は現在のそれとは別だった。

 当時はカメラマンの存在も今よりも大きかった。その代表格が野村誠一だ。年収1億円を超えた売れっ子は、今も続く「ミスマガジン」の創設に携わり、グラビアを通し斉藤由貴、南野陽子をスターにした。アイドルに触れられるような距離感の写真に定評のある野村は「グラビアの仕事は本気でカメラマンが被写体に恋をしなきゃ、いい表情は撮れない」と熱く語る。

 1990年代には空前のヘアヌードブームが到来する。累計165万部を売り上げた宮沢りえの『Santa Fe』は社会現象となり、川島なお美や島田陽子の作品も50万部を超える大ヒット作に。出せば写真集が売れる中、名だたるタレントが次々にアンダーヘアを晒していった。

 グラビアアイドルという職業が確立したのもこの頃だ。歌を主体とするアイドルが下火になる一方、イエローキャブを中心に、巨乳と水着が売りのグラドルが雑誌だけでなくテレビでも活躍した。

 この時代のグラビアは、日本社会に大きな活力を与えていたのだ。

日本社会に大きな活力を与えてきた写真集が大集結

■南野陽子『陽子をひとりじめ……』(1986年/講談社)撮影/野村誠一
43万部を売り上げた大ヒット作。デビュー直後で無邪気さが漂う圧倒的な美少女ぶりに息をのむ。現在のアイドルも圧倒する、時代を超えた輝きだ。アイドル写真集史に残る傑作。

■手塚さとみ『少女だった 手塚さとみ写真集』(1981年/小学館)撮影/沢渡朔
「10代最後の記念に何か残したかった」という手塚が19歳時に出したヌード写真集。沢渡朔がカメラマンを務め、少女から大人へと成長する過渡期の美が収められている。ヌードになった際の日焼け跡も若さを強調させる。

手塚さとみ『少女だった 手塚さとみ写真集』(1981年/小学館)撮影/沢渡朔

手塚さとみ『少女だった 手塚さとみ写真集』(1981年/小学館)撮影/沢渡朔

■大西結花『FLORE』(1995年/ワニブックス)撮影/渡辺達生
『スケバン刑事III』でブレイクした大西のヘアヌード作品。冒頭から最後まで惜しげもなく大胆な姿を披露してくれる。内容もアイドル時代を彷彿とさせる爽やかなものからベッドでの官能的なヘア露出までと多彩。

■由美かおる『妖精の舞踏──由美かおるRE 写真集』(1998年/竹書房)撮影/池谷朗
バレエで鍛え上げた肢体はまさに芸術で、乳房を露わにしても品格を保つのは流石。「水戸黄門」での入浴場面が有名で、映画でもヌードとなっている由美だが、実はへそだけは決して見せない。本作でも絶妙に隠しており見どころ。

関連記事

トピックス

滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月25日、撮影/JMPA)
《すぐに売り切れ》佳子さま、6万9300円のミントグリーンのワンピースに信楽焼イヤリングを合わせてさわやかなコーデ スカーフを背中で結ばれ、ガーリーに
NEWSポストセブン
注目される次のキャリア(写真/共同通信社)
田久保真紀・伊東市長、次なるキャリアはまさかの「国政進出」か…メガソーラー反対の“広告塔”になる可能性
週刊ポスト
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
《安倍晋三元首相銃撃事件・初公判》「犯人の知的レベルの高さ」を鈴木エイト氏が証言、ポイントは「親族への尋問」…山上徹也被告の弁護側は「統一教会のせいで一家崩壊」主張の見通し
NEWSポストセブン
この笑顔はいつまで続くのか(左から吉村洋文氏、高市早苗・首相、藤田文武氏)
自民・維新連立の時限爆弾となる「橋下徹氏の鶴の一声」 高市首相とは過去に確執、維新党内では「橋下氏の影響下から独立すべき」との意見も
週刊ポスト
元・明石市長の泉房穂氏
財務官僚が描くシナリオで「政治家が夢を語れなくなっている」前・明石市長の泉房穂氏(62)が国政復帰して感じた“強烈な危機感”
NEWSポストセブン
新恋人のA氏と腕を組み歩く姿
《そういう男性が集まりやすいのか…》安達祐実と新恋人・NHK敏腕Pの手つなぎアツアツデートに見えた「Tシャツがつなぐ元夫との奇妙な縁」
週刊ポスト
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左/バトル・ニュース提供、右/時事通信フォト)
《激しい損傷》「50メートルくらい遺体を引きずって……」岩手県北上市・温泉旅館の従業員がクマ被害で死亡、猟友会が語る“緊迫の現場”
NEWSポストセブン
WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン