会見にあたりフジテレビ社屋前には報道陣が詰めかけた

会見にあたりフジテレビ社屋前には報道陣が詰めかけた

被害女性より国民的スターを守ったのか

 中居氏とのトラブル、女性の被害を知りながらも『まつも toなかい』を打ち切りにしなかったのは、被害者の(心を)刺激しないようにという配慮だという。松本人志氏は性的行為を強要した疑惑が持ち上がり、その疑惑を晴らすこともせずに(できずに、という方が正しいのかもしれない)芸能活動を休止したというのに、である。(それにしても、司会者二人が性的トラブルの疑惑を晴らせずに画面から消えるとはすごい番組だ)

 それどころか、中居氏をパリ五輪のキャスターやスポーツ特番に起用しているのだから、被害女性へ刺激うんぬんは後付けの言い訳にしか聞こえない。トラブルのことを最低限の人数でしか共有していなかったため、スポーツ局の関係者たちはトラブルを知らなかったから起用したというが、コンプライアンス推進室にも担当役員にも知らせていなかったとは、組織がまともに機能していないと言わざるを得ない。何のためのコンプライアンス推進室であり担当役員なの?

 これでは、結局被害女性より国民的スターを守ったと受け止められても仕方がないのではないか。

 フジサンケイグループ代表の日枝久氏が登壇しないことについての理由もかなり苦しいものだった。同じグループの人間である日枝氏に敬語を使っていたりで、怖がっていることはありありとわかった。

 女性アナウンサーを伴った接待、食事会について、港浩一前社長は「接待要員ではなく仲間として宴席を囲む感覚」といった。呼び出されている女性たちがみんな同じように受け止めていたとは考えにくい。こうしたおめでたい感覚もおじさんたちだけ物事を進めてきた弊害だと思う。また遠藤龍之介副会長は「最初からその女性を一人で会合に差し出すというケースは少のうございまして」と説明した。彼らには宴席において女性は「差し出されるもの」という感覚が無意識のうちにあるのだろう。自分たちとその周辺以外の人への想像力が乏しい、もしくは偏っているのだ。繰り返すけれど、企業はフジテレビに限らず、一定数の女性を役員に入れるべき。

「ギネス級の長時間」や「フリージャーナリストたちの過剰な主張語り」「質問者たちのここぞとばかりの上から口調」でフジテレビには少々の同情も集まったようだが、そこだけに注視していては何の解決にもならない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
「ウチも性格上ぱぁ~っと言いたいタイプ」俳優・新井浩文が激ヤセ乗り越えて“1日限定”の舞台復帰を選んだ背景
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン