ライフ

《ホステスから極妻》不動産転売などで極道的才覚を開花させた姐さん 神主相手に金を巻き上げた手口

高級クラブにいた彼女を見初めて妻にしたという(写真提供/イメージマート)

高級クラブにいた彼女を見初めて妻にしたという(写真/イメージマート)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、高級クラブのホステスから極道の妻となって極道的才覚を開花させた姐さんについてのエピソードについて。暴力団対策法施行からこの3月で33年──。今ではすぐに罪に問われるであろう姐さんの”伝説”について取材した。

 * * *
 その人はヤクザ以上にヤクザな姐さんだった。彼女が表舞台にいたのは、昭和の大ヒット映画『極道の妻たち』のシリーズが上映されていた頃だ。

 姐さんと組長の出会いはある高級クラブ。すらりとした体型にはっきりした目鼻立ちの彼女を、組長が見初めたことが始まりだった。組長と結婚し”姐”となった姐さんは、見様見真似でヤクザの仕事を覚えていく。まずは、組長が地上げした土地を建売用地として売り出した。用地はすぐに完売し姐さんは”不動産業”が面白くなったのか、次はホステス時代に培った人脈を使い、客だった男性から高級マンションを格安で買い取り、高値で転売。

 当時のことを知る組員は、「ホステス時代の関係をネタに価格交渉をしていたようだ。本物の極道よろしく使えるネタはどんなものでも使っていたらしい」という。過去に親しい関係だったとはいえ、相手にとっては、姐という立場でバックに暴力団がついているというのは、それだけで無言の脅しになったのだろう。「ホステス時代の上客たちから、物件などを安く仕入れては転売していた」と組員は当時を振り返る。

 極道の妻としての仕事は、組の大きさや組長の考え方によるところが大きい。大所帯の組であれば、自宅に部屋住みの若い衆がいることも多く、極妻は若い衆の生活態度や作法などにも気を配ることになる。組員が失態すれば後始末に手を貸したり、刑務所に入れば差し入れをすることもある。テキヤ系の組織があった頃は、自ら露店に立つ妻もいた。小さな組ならヤクザの妻といっても普通の主婦と変わりない。組内のことには口を挟まないのが基本だが、自分名義のクレジットカードを組長が使って一緒に逮捕された妻もいれば、シマ内でシノギの手伝いとして飲食店などを経営する妻もいる。組のシノギとは関係なく、自分の趣味でエステサロンやブティックやセレクトショップなどを経営している者もいる。

 だが姐さんがやっていたことは、極道の妻の仕事というより極道に近かった。家の中のことはお手伝いさん、組長の世話は住み込みの若い衆任せになったが、極道的才覚で金儲けをする姐さんに組長は何も言わなかった。「言っても聞かなかったんだろう。下手に止めて出て行かれるより、自分の見える所ならと思ったのかもしれない」と組員は組長の気持ちを慮る。昭和の時代は、大企業の幹部の不祥事をネタに暴力団が企業をゆすったり、株主総会を暴力団まがいの総会屋が仕切ったりすることも多く、暴力団が大きな顔で幅を利かせていた時代だ。華やかであでやかな外見に磨きをかけ、姐さんもその波に乗って暴力団というバックをフルに活用していた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
《浜松・ガールズバー店員2人刺殺》「『お父さん、すみません』と泣いて土下座して…」被害者・竹内朋香さんの夫が振り返る“両手ナイフ男”の凶行からの壮絶な半年間
NEWSポストセブン
リモートワークや打合せに使われることもあるカラオケボックス(写真提供/イメージマート)
《警視庁記者クラブの記者がカラオケボックスで乱痴気騒ぎ》個室内で「行為」に及ぶ人たちの実態 従業員の嘆き「珍しくない話」「注意に行くことになってるけど、仕事とはいえ嫌。逆ギレされることもある」 
NEWSポストセブン
「最長片道切符の旅」を達成した伊藤桃さん
「西国分寺から立川…2駅の移動に7時間半」11000kmを“一筆書き”した鉄旅タレント・伊藤桃が語る「過酷すぎるルート」と「撮り鉄」への本音
NEWSポストセブン
ドジャース・山本由伸投手(TikTokより)
《好みのタイプは年上モデル》ドジャース・山本由伸の多忙なオフに…Nikiとの関係は終了も現在も続く“友人関係”
NEWSポストセブン
齋藤元彦・兵庫県知事と、名誉毀損罪で起訴された「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志被告(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志被告「相次ぐ刑事告訴」でもまだまだ“信奉者”がいるのはなぜ…? 「この世の闇を照らしてくれる」との声も
NEWSポストセブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・“最上あい”こと佐藤愛里さん(Xより)、高野健一容疑者の卒アル写真
《高田馬場・女性ライバー刺殺》「僕も殺されるんじゃないかと…」最上あいさんの元婚約者が死を乗り越え“山手線1周配信”…推し活で横行する「闇投げ銭」に警鐘
NEWSポストセブン
伊勢ヶ濱親方と白鵬氏
旧宮城野部屋力士の一斉改名で角界に波紋 白鵬氏の「鵬」が弟子たちの四股名から消え、「部屋再興がなくなった」「再興できても炎鵬がゼロからのスタートか」の声
NEWSポストセブン
環境活動家のグレタ・トゥンベリさん(22)
《不敵な笑みでテロ組織のデモに参加》“環境少女グレタ・トゥンベリさん”の過激化が止まらずイギリスで逮捕「イスラエルに拿捕され、ギリシャに強制送還されたことも」
NEWSポストセブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
荒川静香さん以来、約20年ぶりの金メダルを目指す坂本花織選手(写真/AFLO)
《2026年大予測》ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケート 坂本花織選手、“りくりゅう”ペアなど日本の「メダル連発」に期待 浅田真央の動向にも注目
女性セブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン