国内

N党・立花孝志氏襲撃犯も 警察が強化する”脅威が次々と湧いてくる”「ローンオフェンダー型」の不満分子対策

暴漢に襲われ、負傷した「NHKから国民を守る党」の立花孝志氏、取材に応じる(時事通信フォト)

暴漢に襲われ、負傷した「NHKから国民を守る党」の立花孝志氏、取材に応じる(時事通信フォト)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は、組織に属さず単独で要人を襲撃するローンオフェンダー型の不満分子対策について。

 * * *
 この男も”ローンオフェンダー”になるのだろうか。千葉県知事選に出馬し他候補を応援すると宣言していた政治団体「NHKから国民を守る党」の党首、立花孝志氏が14日、霞が関で聴衆と写真撮影をしていた際、ナタを持った男に襲われた。左側頭部の頭皮がベロリとはぎ取られるなど、全治3週間のケガを負ったのだ。

 殺人未遂容疑で現行犯逮捕されたのは、住所不定の宮西詩音容疑者(30才)。元公安関係者に聞くと「これもローンオフェンダーになる」という。立花氏は要人というには語弊があるが、有名人には違いない。容疑者は写真撮影の列に並び、自分の番がきた時、ズボンの右ポケットに忍ばせていたナタを立花氏の頭を目掛けて振り下ろした。

 動機は「ほかの議員を自殺に追い込むようなやつだからやった」。「立花氏の選挙演説の動向はXやYouTubeで情報を得ていた」といい、ずっとチャンスを狙っていたという。立花氏は自身のYouTubeチャンネルで襲われた直後の動画を公開、「暴行というよりも殺人未遂だと思う」と振り返るが、容疑者は「急所である頭を目掛けてナタを振り下ろしたが、緊張して狙えなかった」「殺意は間違いなくあった」と供述。殺すつもりだったというから、立花氏は九死に一生を得たのだろう。

 ローンオフェンダーという言葉が広まったのは安倍晋三元首相襲撃事件の後からだ。山上徹也被告は、白昼堂々、要人警護の隙をつき、安倍氏の背後から近づき、大勢の観衆の前で近距離から手製の銃を発砲。過激派や暴力団、右翼団体などに属さず警察にとって完全ノーマークだった山上被告を、当時メディアは”ローンウルフ”(一匹狼)と呼んだ。

 ローンウルフは特定の組織に所属しない単独犯、人知れず過激化してテロや凶悪犯罪を起こす。個人で計画から実行まで行うため、未然に事件を防止するのが難しい。だがその呼び名は、単独を意味するローン(lone)と、攻撃者を意味するオフェンダー(offender)を組み合わせた”ローンオフェンダー”に変わった。「ローンウルフだと映画のランボーなどヒーローのイメージが強く、一匹狼=犯罪者ではない。単独でテロを企てる者、テロを起こす者、起こした者を指し、単独で行う窃盗や殺人など刑事系の犯罪者には使わない」と元公安関係者は話す。

関連記事

トピックス

炊き出しボランティアのほとんどは、真面目な運営なのだが……(写真提供/イメージマート)
「昔はやんちゃだった」グループによる炊き出しボランティアに紛れ込む”不届きな輩たち” 一部で強引な資金調達を行う者や貧困ビジネスに誘うリクルーターも
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
藤浪晋太郎(左)に目をつけたのはDeNAの南場智子球団オーナー(時事通信フォト)
《藤浪晋太郎の“復活計画”が進行中》獲得決めたDeNAの南場智子球団オーナーの“勝算” DeNAのトレーニング施設『DOCK』で「科学的に再生させる方針」
週刊ポスト
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
「漫才&コント 二刀流No.1決定戦」と題したお笑い賞レース『ダブルインパクト』(番組公式HPより)
夏のお笑い賞レースがついに開催!漫才・コントの二刀流『ダブルインパクト』への期待と不安、“漫才とコントの境界線問題”は?
NEWSポストセブン
パリの歴史ある森で衝撃的な光景に遭遇した__
《パリ「ブローニュの森」の非合法売買春の実態》「この森には危険がたくさんある」南米出身のエレナ(仮名)が明かす安すぎる値段「オーラルは20ユーロ(約3400円)」
NEWSポストセブン
韓国・李在明大統領の黒い交際疑惑(時事通信フォト)
「市長の執務室で机に土足の足を乗せてふんぞり返る男性と…」韓国・李在明大統領“マフィアと交際”疑惑のツーショットが拡散 蜜月を示す複数の情報も
週刊ポスト
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
高校時代にレイプ被害で自主退学に追い込まれ…過去の交際男性から「顔は好きじゃない」中核派“謎の美女”が明かす人生の転換点
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《死刑執行》座間9人殺害の白石死刑囚が語っていた「殺害せずに解放した女性」のこと 判断基準にしていたのは「金を得るための恐怖のフローチャート」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《小室圭さんの赤ちゃん片手抱っこが話題》眞子さんとの第1子は“生後3か月未満”か 生育環境で身についたイクメンの極意「できるほうがやればいい」
NEWSポストセブン
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
【独占インタビュー】お嬢様学校出身、同性愛、整形400万円…過激デモに出没する中核派“謎の美女”ニノミヤさん(21)が明かす半生「若い女性を虐げる社会を変えるには政治しかない」
NEWSポストセブン