華麗な守備とシュアな打撃で元祖ミスタードラゴンズと呼ばれた高木守道。のちに監督も務めた(産経新聞社)

華麗な守備とシュアな打撃で元祖ミスタードラゴンズと呼ばれた高木守道。のちに監督も務めた(産経新聞社)

高木のニックネームが「忍法忍び足」!?

 昨年のドラフトでセ・リーグ4球団が競合した金丸夢斗投手を井上新監督が引き当て、勢い余って肩を脱臼した翌日、元文藝春秋の名物編集者で名古屋出身の吉安章氏はこのクイズに「ミスターバックトスだっけ?」と答えた。因みに同じ文春の編集者のドラファンで私の本の担当者・目崎敬三氏は「忍者……」とかすった。

 残念。答えは「忍法忍び足!」だ。

 吉安氏はかの文豪・中上健次など大物作家をたくさん担当したレジェンド編集者。かつ、かなりのドラファンなのだが、さすがに「……」となっていた。

 そりゃ、そうだろう。「忍法忍び足!」では呼びにくいし、漢字がしつこい。子供の頃から、「忍法」の「忍」の字は、『ウルトラセブン』に出てくるガッツ星人が横を向いている姿に見えて仕方がなかったから、余計に嫌だった。

 ドラゴンズよ、高木を全国区のスターに育てる気なんてなかっただろう。

 そりゃ、時代は昭和だ。街の乱暴者が「てめぇ、どてっ腹に風穴あけたろか!」と定番のセリフで凄んでいた(本当に凄んだ人に会ったことはないが)時代だ。でも、時代を割り引いたとしても、あんまりだ。他になかったのだろうか。「スピードなんとか」とか、「マジックなんちゃら」とか。カタカナ交ぜて。

 スポーツ選手はときどきこういう悲劇に見舞われる。

 ひどいニックネームといえば、女子バレーボールの日本代表チームの選手たちだ。大会前、中継するテレビ局が番組を盛り上げるためなのか、彼女たちにキャッチフレーズ的なニックネームを付けていたことがあった。美人アスリートを「〇〇姫」とか「ビューティー〇〇」っていうのは百歩譲ってアリなんだろうけど、「ハイタワー」とか「ビッグミドル」とか、そんなニックネームはやめようよ。手を抜き過ぎっていうか、もうわざわざつける必要があるのかっていうレベルだ。

 愛称というのは、ある程度その人の性格も反映されるはずだが、「忍法忍び足!」からは何も伝わってこない。玄人好みのプレーヤー・高木守道は、性格も含めて私の父親たちの世代が崇めていた選手だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン