1992年に落語界に入門した小堀さん
──室田さんは落語家時代に小堀さんと出会い、1997年に「ガッポリ建設」を結成しました。28年間、どうして小堀さんを許し続けることができたのでしょうか。
「自分が落語の世界に入ったときに小堀さんは3年目くらい。寄席はいろいろな落語家が出ていて、それを運営するために俺たちみたいな前座がいます。着物を畳んだり、お茶を出したりするんですが、落語は10日間興行で当時前座さんに基本1日1000円くらいお礼としてくれるんです。
そのお金を最後に集めて前座全員で分けるんですけど、あの人はそれを使い込んだりするわけですよ。前座のみんなで小堀さんを囲んで問い詰めたら、『もともともらってないと思えばいいじゃねぇか』とか言い出して、この人クズでスゴいなぁと思いました」
──若い頃から、相変わらずのクズですね。
「距離も縮まり、寄席終わりの夜に2人で夢を語ったりして、あの人には自分にないカッコよさみたいなものがあると感じていたことはあるんですよ。性格は天然なんですけど、想像していない“おもしろいワード”が出てくるんです。
許し続けられるのは、おもしろいし、尊敬しているという部分があるからですかね。クズはクズなんですけど、自分にはできない人間味があるクズなんですよ」
