ボディビルは「ノリ」で始めたという瑞希さん
──勇人さんは社長を引き継いで何年目になるんですか。
勇人さん「2020年に継いだので、今年で6年目ですね。代を受け継いでからは、なんとかしなくちゃと毎日必死で。『かまぼこ組合』という団体があって、各社の年間売上が共有されるんですけど、かまぼこだけはどこも右肩下がりなんです。
一方で、ちくわやさつま揚げは何十年も一定の需要がある。なので、“ちくわ=伊勢兼商店”のイメージをつけたくて、頑張っている最中です」
──新商品「ちっくすパック」は、小田原の街づくりに貢献している40歳以下の団体や個人を表彰する「おだわらMIRAIアワード2024」にて受賞もされました。
勇人さん「“小田原を筋肉の聖地にしたい”という思いがあって『小田原筋肉協会』という団体を立ち上げました。『ちっくすパック』も、筋肉協会考案の商品なんです。実は小田原ってジムやフィットネススタジオが40件以上あって、パワーリフティングの学生部門の日本チャンピオンは小田原在住、日本記録保持者は小田原でトレーニングに励んでいるなど、もともとフィットネス人口が多い街なんです。
今後は、ロサンゼルスのマッスルビーチみたいに浜辺に野外ジムを建てたりとか、マッスルフェスを開催したりとか、そういうことができたら、健康寿命も伸びるし、インバウンドも呼び込めるし、魚肉タンパク質も普及するし、面白い街づくりができるんじゃないかなと考えています」
瑞希さん「実際、フィットネスを絡めた移住者もどんどん増えてきているみたいで。ジムがいっぱいあって新幹線が止まるっていう条件で、選んでくれる方が多いみたいです。『ちっくすパック』のお客さんのなかには、最近都内から移住された方もいるみたいで、すごく嬉しかったですね」
──街づくりにも精力的に取り組まれているんですね。
瑞希さん「でもここまで前向きになれたのも、いろんな方たちの支えがあったからです。夫が社長を継いでからしばらくはめちゃくちゃ悩んでいましたし」
勇人さん「3年ぐらい前は、やばかったね」
