横山剣(よこやま・けん)/1960年、神奈川県生まれ。1981年にクールスRCのヴォーカル兼コンポーザーに抜擢されデビュー
オーディションに毎週500人
横山:あの番組って、どういう手続きを経ると出場できたんですか。
岩崎:私の場合は、葉書で応募した後に、まずは有楽町のよみうりホールで行なわれるオーディションに呼ばれました。
横山:当時はそごう、今はビックカメラの入っているビルの最上階にあるホールですね。
岩崎:一次審査では、横森良造さんのピアノの伴奏に合わせ、一人一人がワンフレーズだけ歌う。
横山:岩崎さんは、何を歌ったんですか。
岩崎:小坂明子さんの『あなた』でした。その後に二次審査、最終審査を経て、テレビで放送される予選に出られる7組が残ることになる。
横山:さぞかし狭き門だったんでしょうね。
岩崎:毎週日曜日に行なわれていたオーディションには、500人以上が詰めかけてましたから。
横山:そりゃすごい。
岩崎:そのテレビ予選の前には、面接があるんです。森下泰男さんというディレクターが、私を前にして発した第一声が「顔でかいなあ」でした。
横山:ひどい!
岩崎:その頃は、おでこ出してたんですよ。確かに私、額が広いから、顔が大きく見えたのかなあとは思ったんですけど、ショックを受けましたよ。
横山:言い方ってものがありますよね(笑)。
岩崎:だから、おでこを隠そうと、前髪をバチッと切った、おかっぱの髪形に変えたんです。
横山:岩崎さんのトレードマークは、そうやって生まれたんですね。
