駐車場が広いからと勝手に旧車會の集合場所にされた(写真提供/イメージマート)
落胆と怒りが入り混じったような複雑な表情でこう訴えるのは、佐賀県内にある飲食店経営者の男性(60代)。男性の店は、ショッピングモールに併設された広い駐車場に接するよいポジションに立地している。利用客からは駐車場が近いと喜ばれ、モール帰りの買い物客が毎日寄ってくれるというわけだ。しかし、店の経営にも影響を及ぼしかねないような「旧車會」によるトラブルが頻発していると男性は頭を抱えて見せた。
「朝、出勤したら、あいつらがここ(駐車場)を待ち合わせ場所にしよったんです。だから最初は、夜間帯にチェーンを張るなどしとったんですが、それも簡単に外されて。何十台、いや、100台以上(旧車が)おったこともある。えすか(怖い)でしょう? 誰も何も言えん。警察を呼んでも揉めるだけでちっともどいてくれんのです。その間、お客さんは全く入ってきません」(飲食店経営者の男性)
さらに最近、男性を真っ青にさせることまで起きた。なんと、何十人もの「旧車會」の連中が、男性の経営する飲食店に「客」として入ってきてしまったのである。
「従業員の女性が可哀想に泣きながら電話してきてね、暴走族に占拠された、助けて下さいて。私もすぐ駆けつけたけども、一応お客さんでしょう。怖い衣装と見た目で、店内でも騒いでね。他の客はみんな出て行ったけど、注文はちゃんとしてくれて、お金も払ってくれて。いやそれでも、他の客の迷惑になるし、うちが連中の”溜まり場”みたいに噂されたら大変。最近は暴走族じゃなくて旧車會と呼ぶとよ、って客の兄さんが言ってましたけどね。最近は警察がすぐ駆けつけてくれるようになって、ずいぶんマシになりました」(飲食店経営者の男性)
件の旧車會は、春先ごろから毎週末のように近辺のどこかに集合しては、ブォンブォンと騒音を何十分間も轟かせ、近隣圏などに「ツーリング」してまた付近に帰ってくるのだという。当然、行く先々でこのような「被害」を生み出しているだろうことは、想像に難くない。時に100台を超えるほどの規模で移動するので、彼ら全員が入れる広さがある駐車場の広い大型店などが、格好の餌食になってしまっているのだ。
旧車好きが本当に潰されてしまう
筆者はちょうど一年前にも旧車會に関する記事を書いているが、その際に被害を訴えた埼玉県在住の主婦にふたたび話を聞くと──。
「もう本当に”虫と一緒”でしょう! ちょうど先々週末くらいからですよ、ウォンウォン朝から晩までね。警察は取り締まってるんですよね? 昔より増えてませんか?こ の前、東北道でも何十台の集団をいくつも見ましたよ」(埼玉県在住の主婦)
