国内

マッチングアプリで“運命的な出会い”をするのに重要な“あまりに普通なこと”《精神科医が指南する恋愛のコツ》

運命の出会いがあるかもしれない(写真:イメージマート)

運命の出会いがあるかもしれない(写真:イメージマート)

 現実社会よりも、手軽に多くの人に出会えるマッチングアプリ。年収や身長、趣味などのプロフィール、AIによるマッチングなどをもとにすれば、自らの条件に合った理想の人に出会えるかもしれない。一見、効率的に見えるアプリだが、なかなか“いい相手”に巡り会えないという人は少なくない。

 恋愛や結婚において、「タイパやコスパに偏りすぎるのは危険」と指摘するのは、精神科医の香山リカ氏だ。医師だけでなく大学教員としても、若者と長く接してきた経験を生かし、マッチングアプリのメリット・デメリットや利用者の実態を綴った『マッチングアプリ依存症』(内外出版社)より、アプリでいい人に出会えるコツをお届けする。(同書より一部抜粋して再構成)【全4回の第4回。第3回を読む】

 * * *
 大学の教員だった私は、マッチングアプリを利用している学生たちに、よく聞かれていたことがあります。

「精神科医の先生が考える『アプリで効率よくいい相手と巡り合うコツ』は何ですか」

 今の若い人たちらしい、効率重視の軽い考え方は嫌いではないのですが、タイパやコスパに偏りすぎるのは危険です。

 もちろん、アプリの達人のような人は、「これがいい相手と巡り合うコツ」とテクニックを語れるのかもしれません。しかし、深層心理学者C・G・ユングの言う無意識に潜むいろいろな自分「元型」(※)のように、条件面での理想の相手と、自分が本当に求めている相手は異なります。

(※ユングは人間の無意識の中には、自分とは逆の要素(女性なら男性、男性なら女性)や、自分では否定している要素が潜んでいると考えました。こうした無意識に潜むいろいろな自分を「元型」と呼んでいます。 「この人、気になる」と思う相手は、自分の心の奥にある「元型」を体現した存在だからかもしれません)

 日常生活でも、手先のテクニックやコスパでは語れないことでありふれています。

 たとえば、カロリーや栄養バランス、値段を考えて選び抜いたAランチがその日の自分にはなんだか合ってなくて、次の日、何も考えずに注文したBランチに大満足。

「それを理屈で説明しろ」と言われても誰もできません。「タイミングや直感の問題」としか言いようがありません。

 こうした結果は、いくら技術が発達したとはいえ、世の中はコントロールできるものばかり存在しているわけではない。そんなことを教えてくれます。

 そして、恋愛や結婚こそまさにタイミングと直感が大きな要素を占めるものといえるでしょう。

 いくらAIが「あなたの好みを計算してピッタリの相手をマッチングしました。これ以上、理想の相手はいません」と言って誰かを選び出しても、あなたが「あ、いいな!」と思わなければ、恋愛ははじまらないのです。

 逆に、外を見ていてたまたま目に入った異性が素敵で、一瞬でそちらに心を奪われてしまう、そんなこともあるかもしれません。一目ぼれが運命の恋愛に発展、というエピソードはいくらでもあります。

関連キーワード

関連記事

トピックス

夜逃げした「郷土料理 たち川」に、食品偽装があったという(左はinstagramより、右は従業員提供)
「飛騨牛はホルスタイン、天然鮎は養殖モノ…」岐阜・池田温泉、町が委託したレストランで“食品偽装疑惑”「仕入れ先が減り、オーナー自らスーパーで割引の商品を…」【7月末に夜逃げしていた】
NEWSポストセブン
痩せる前のエヴィヤタルさん(インスタグラムより)
「弟はもはやガイコツ」「この穴は僕が埋葬される場所だろう」…ハマスが“人質が自分の墓を掘る”動画を公開し世界各国から非難噴出《飲まず食わずで深刻な飢餓状態》
NEWSポストセブン
本州に生息するツキノワグマ。体長120~180センチほど。最近では獣害の被害が増えている(イメージ)
《襲われる被害が多発》クマに悩まされる養蜂家たちが告白 「今年はあきらめるしかない…」「槍を作って山に入るヤツもいる」
NEWSポストセブン
デコラファッションで小学校に登校していたいちかさん、中学生となり衝撃の変貌を遂げていた…!
《デコラ小学生が衝撃の変貌》グリーン&ゴールド髪が“黒髪少女”に大転身「ほぼスッピンのナチュラルメイクで中学に登校する」意外な理由とは
NEWSポストセブン
昨年に第一子が誕生したお笑いコンビ「ティモンディ」の高岸宏行、妻・沢井美優(右・Xより)
《渋谷で目立ちすぎ…!》オレンジ色のサングラスをかけて…ティモンディ・高岸、“家族サービス”でも全身オレンジの幸せオーラ
NEWSポストセブン
“原宿系デコラファッション”に身を包むのは小学6年生の“いちか”さん(12)
《話題のド派手小学生“その後”》衝撃の「デコラ卒アル写真」と、カラフル卒業式を警戒する学校の先生と繰り広げた攻防戦【『家、ついて行ってイイですか?』で注目】
NEWSポストセブン
収監の後は、強制送還される可能性もある水原一平受刑者(写真/AFLO)
《大谷翔平のキャスティングはどうなるのか?》水原一平元通訳のスキャンダルが現地でドラマ化に向けて前進 制作陣の顔ぶれから伝わる“本気度” 
女性セブン
「池田温泉」は旅館事業者の“夜逃げ”をどう捉えるのか(左は池田温泉HPより、右は夜逃げするオーナー・A氏)
「支払われないまま夜逃げされた」突如閉鎖した岐阜・池田温泉旅館、仕入れ先の生産者が嘆きの声…従業員が告発する実情「机上に請求書の山が…」
NEWSポストセブン
バラエティ、モデル、女優と活躍の幅を広げる森香澄(写真/AFLO)
《東京駅23時のほろ酔いキャミ姿で肩を…》森香澄、“若手イケメン俳優”を前につい漏らした現在の恋愛事情
NEWSポストセブン
柳沢きみお氏の闘病経験は『大市民 がん闘病記』にも色濃く反映されている
【独占告白】人気漫画家・柳沢きみお氏が語る“がん闘病” 今なお連載3本を抱え月産160ページを描く76歳が明かした「人生で一番楽しい時間」
週刊ポスト
芸能界の“三刀流”豊田ルナ
芸能界の“三刀流”豊田ルナ グラビア撮影後に語った思い「私の人生は母に助けられている」
NEWSポストセブン
ラーメン二郎・全45店舗を3周達成した新チトセさん
「友達はもう一緒に並んでくれない…」ラーメン二郎の日本全国45店舗を“3周”した新チトセ氏、批判殺到した“食事は20分以内”張り紙に持論
NEWSポストセブン