芸能

《遅咲きの俳優生活64年》北村総一朗「戦争体験者の僕でさえ、忘れかけていた…」演出家として悲惨さを舞台で伝えていく“責務”

今年で90歳になる俳優・北村総一朗さん

今年で90歳になる俳優・北村総一朗さん

『踊る大捜査線』(フジテレビ系)シリーズで多くのファンに愛されている俳優・北村総一朗さんは、今年で90歳になる。にもかかわらず、劇団の“顔”として演出を務め、取材を受けて、そのPRも行う。前編で「元気の秘訣」を聞いてみると、そのひとつが「好きなことを思いっきりやること」。北村さんにとって、それは演じることだ。新劇の「劇団昴」で長年活動し、この5~6月に劇団昴の企画・プロデュース公演『フツーの生活 長崎編』で演出を務める。北村さんに役者人生を振り返ってもらった。【前後編の後編。前編を読む】

長い下積み時代は「幸運だった」

 北村さんが俳優を夢見るようになったのは高校時代。高知市で生まれ育ち、地元の小学校から私立の中高一貫校である土佐中学・高校へ進み、夏休みに友人と東京へ遊びに出た際、劇団民藝の翻訳劇『セールスマンの死』を観て俳優に憧れた。

「でも、母親は僕にサラリーマンになってほしくてね。それで高校卒業後は高知大学の、当時、就職率が一番良かった農学部へ進んだんです」

 しかし、大学では演劇研究会に所属すると同時に、ラジオ局の放送劇団に入り演劇どっぷりの生活を送った。卒業後に役者を目指して上京する際、母親はもう諦めていたようで、引き留めはしなかったという。

 24歳で上京すると、1961年、文学座の演劇研究所1期生に。同期には橋爪功(83)、寺田農(享年81)、樹木希林(享年75)、小川眞由美(85)ら才能あふれる人が多くいた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

炊き出しボランティアのほとんどは、真面目な運営なのだが……(写真提供/イメージマート)
「昔はやんちゃだった」グループによる炊き出しボランティアに紛れ込む”不届きな輩たち” 一部で強引な資金調達を行う者や貧困ビジネスに誘うリクルーターも
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
藤浪晋太郎(左)に目をつけたのはDeNAの南場智子球団オーナー(時事通信フォト)
《藤浪晋太郎の“復活計画”が進行中》獲得決めたDeNAの南場智子球団オーナーの“勝算” DeNAのトレーニング施設『DOCK』で「科学的に再生させる方針」
週刊ポスト
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
「漫才&コント 二刀流No.1決定戦」と題したお笑い賞レース『ダブルインパクト』(番組公式HPより)
夏のお笑い賞レースがついに開催!漫才・コントの二刀流『ダブルインパクト』への期待と不安、“漫才とコントの境界線問題”は?
NEWSポストセブン
パリの歴史ある森で衝撃的な光景に遭遇した__
《パリ「ブローニュの森」の非合法売買春の実態》「この森には危険がたくさんある」南米出身のエレナ(仮名)が明かす安すぎる値段「オーラルは20ユーロ(約3400円)」
NEWSポストセブン
韓国・李在明大統領の黒い交際疑惑(時事通信フォト)
「市長の執務室で机に土足の足を乗せてふんぞり返る男性と…」韓国・李在明大統領“マフィアと交際”疑惑のツーショットが拡散 蜜月を示す複数の情報も
週刊ポスト
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
高校時代にレイプ被害で自主退学に追い込まれ…過去の交際男性から「顔は好きじゃない」中核派“謎の美女”が明かす人生の転換点
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《死刑執行》座間9人殺害の白石死刑囚が語っていた「殺害せずに解放した女性」のこと 判断基準にしていたのは「金を得るための恐怖のフローチャート」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《小室圭さんの赤ちゃん片手抱っこが話題》眞子さんとの第1子は“生後3か月未満”か 生育環境で身についたイクメンの極意「できるほうがやればいい」
NEWSポストセブン
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
【独占インタビュー】お嬢様学校出身、同性愛、整形400万円…過激デモに出没する中核派“謎の美女”ニノミヤさん(21)が明かす半生「若い女性を虐げる社会を変えるには政治しかない」
NEWSポストセブン