逮捕された不動産投資会社「レーサム」創業者で元会長の田中剛容疑者
上場企業の創業経営者の衝撃的な薬物逮捕劇が起きた。複数の女性も相次いで逮捕された事件では、超高級ホテルを舞台に“薬物性接待パーティー”が行なわれていたという。その実態に迫る。【前後編の前編。全文を読む】
5月12日、覚醒剤取締法と麻薬取締法違反容疑で逮捕された不動産投資会社「レーサム」創業者で元会長の田中剛容疑者(60)。業界では知られた存在だった。
「1992年、26歳で不動産投資会社を創業後、わずか9年でJASDAQ上場を果たしました。その名が全国に知られたのは2000年9月のこと。証券化を条件とした国有不動産の入札が日本で初めて実施された際、当時まだ35歳だった田中容疑者がマンションなど8件の不動産を落札して証券化し、大きな話題を呼びました」(全国紙経済部記者)
2005年には西武鉄道の元親会社コクドの原宿本社跡地を一時買収したことでも話題になった(その後自社開発を断念し、2013年に売却)。2021年に同社会長職を退任し、現在、レーサムは国内不動産大手「ヒューリック」の完全子会社となっている。
レーサムは田中容疑者の事件について「逮捕原因となっている事案が発生した時点で何らの接点もなく、本件については当社のあずかり知らないところで発生したものです」(広報室)と回答した。
田中容疑者が逮捕されたのは、昨年6月に都内の高級ホテルで覚醒剤とコカインを所持していた容疑だ。当時室内にいた元レースクイーンの奥本美穂容疑者(32)が同時に逮捕され、同16日には同じくその場に居合わせた国立・東京科学大の現役学生・小西木菜容疑者(21)も逮捕されている。
事件が明るみに出たのは、当日、ホテルの部屋から小西容疑者が発した“SOS”が端緒だった。
「この日、ホテル内では田中容疑者に対する“薬物性接待”が行なわれていたとされます。しかし、異変が起こり、小西容疑者がスマホでこっそり交際相手に助けを求めた。部屋に来た交際相手と田中容疑者らがトラブルになって警察沙汰になり、薬物が発見されて今回の逮捕へと繋がりました」(全国紙社会部記者)
昨年8月には、ホテルの部屋にいた大学生の小西容疑者が、田中容疑者を「不同意性交致傷罪」で刑事告訴した。本誌・週刊ポストはその告訴状を入手。告訴状は“ヤク漬け性接待”が行なわれていたと詳細に主張する内容だった。