民進党の政調会長に就任して、記者からカコミ取材を受ける山尾氏(2016年3月撮影:小川裕夫)
また、山尾氏にも多くの支援者がいる。公認取り消し後、山尾氏は報道機関にコメントを発表しているが、そこにはすでに業界団体や後援会などを回って多くの関係者に挨拶を済ませていたことが書かれていた。比例代表で出馬する予定だったのだから、本人のみならず支援者たちは国民民主党へ投票を呼びかけるチラシやポスターなども制作・配布し、積極的に支援を呼びかけていたことも想像に難くない。党の公認取り消しは、こうした支援者の気持ちを考慮しない蛮行といえるだろう。
玉木代表と山尾氏は2009年に当選した同期で、同じ民主党議員として事業仕分けでも活躍した。筆者は、この時から玉木・山尾両氏の取材をしている。
玉木代表は山尾氏が検察官出身で法律にも通じている点や民進党時代に政調会長として活躍したことを評価して公認決定したことは間違いなく、それだけに山尾氏の政治的手腕を買っていたことになる。だからSNSで評判が悪く、世論調査で支持率が急落していてもギリギリまで公認を取り消そうとしなかった。
全国の都道府県連などから反対意見が届き、国会内で開かれた国民民主党の両院議員総会で了承され、山尾氏の公認は正式に見送りとなった。いったんかけた梯子を今回のように外すことは、山尾氏だけではなく党の議席をひとつでも増やそうと汗をかいた支援者たちの気持ちを踏みにじるものといえるだろう。これは、本来なら役職停止3か月という処分だった玉木氏の不倫よりも、重い責任問題として追及されてもおかしくない。
玉木代表は、役職停止期間中もテレビに出演したり、海外に出かけて各国の要人と会談している。「役職を停止だからと言ってテレビに出てはいけない」と言うつもりはないが、それでも役職停止中に自由気ままに代表職と変わらぬ活動をしている姿に筆者は違和感を覚えた。こんな自由で活発な活動を許すなら、処分は何の意味も持たない。それは玉木代表が自分に甘いこと、それを容認した党執行部も玉木氏に耳が痛いことを言えないイエスマン揃いであることを暗示している。
