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《万引き事件で逮捕の往年の大投手》「不人気球団のコーチをやると解説の仕事がなくなる」「60歳を超えたら評論家は厳しくなる」米田哲也氏が明かす切実な収入事情

米田

万引きで逮捕された米田哲也氏(87)

 歴代2位のプロ通算350勝、19年連続2ケタ勝利といった数々の大記録を持つ元阪急などの米田哲也氏(87)が、今年3月に兵庫県尼崎市のスーパーで「缶チューハイ2本」を万引きした事件。米田氏は窃盗罪で略式起訴され、尼崎簡裁が罰金20万円の略式命令を出した。販売価格303円の品に手を出すほど、米田氏は経済的に追い込まれていたのだろうか。本人が語る。【全3回の第3回。第1回を読む

 米田氏の現役時代の実績は、まさに“レジェンド”と呼ぶに相応しい。1956年に阪急入りし、プロ野球歴代1位の626試合に先発登板して歴代2位の350勝をマーク。驚異的なスタミナから「ガソリンタンク」「人間機関車」と呼ばれた。

 1977年の引退後は西宮市内でスナック「セナ350」を経営する傍ら、在阪放送局やフジテレビ『プロ野球ニュース』で解説を担い、日刊スポーツの専属解説者を務めた。

 人生後半戦の“しくじり”はそうした仕事がなくなったのが一因だった。

「テレビのギャラが年1000万円、スポーツ紙が500万円。ただ、コーチをやると解説はできない。そのコーチをクビになると、再度は雇ってもらえないことがある」

 米田氏は1985年に阪神の一軍投手コーチに就任し、同年の日本一に貢献。ちなみに米田氏が逮捕されたのは、1985年の阪神を率いた故・吉田義男氏のお別れの会と同じ日だった。

「阪神の投手コーチで間違って日本一になった時は(1986年の退団後に)テレビ、ラジオ、スポーツ紙の解説者に復帰できた。ところが、(1992~1993年に)オリックス、(1995年に)近鉄という不人気球団のコーチをした後は契約を切られた。テレビの時代になってから活躍した世代がどんどん出てきて、60歳を超えた野球評論家の仕事はほとんどなくなる。厳しくなるんや。

 2000年に野球人として最高の栄誉である野球殿堂入りをして、米子名誉市民としても表彰された。野球人としては満足できるが、収入は激減です」

 米田氏は「それでも助けてくれる人がいる」としながら、こうも続けた。

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