18歳のころから銀座のキャバクラで働き始めていたAさん(インスタグラムより)
そして、事件当日の出来事について、「Aさんは和久井被告に『話したいことがある』と伝えたが、被告は『死んでくれ』と聞く耳を持たなかった」と強調した。
検察官「事件前日となる5月7日の夜、Aさんはライブ配信の冒頭で『ライブが終わったらコンビニに行く』と話していた。また、和久井被告のニックネームや名字を名指しし、逮捕されたことについても言及していました。それを聞いた被告が、川崎の自宅からAさんの自宅へ向かった。
被告はAさんをマンションに併設されているコンビニ前で待ち伏せ、果物ナイフを持って接触。Aさんは悲鳴をあげて逃げたが被告は追いかけ、倒れたAさんの髪を持って、マンション敷地内のサブエントランス前に引きずっていった。周囲には他の住民がいたが、被告は我を忘れて激昂し、1本目の果物ナイフが折れると2本目のナイフを取り出して、強い殺意で何度も、Aさんのことを刺したのです」
検察の冒頭陳述が終わると、弁護側の冒頭陳述に移る。弁護人は裁判官や裁判員に語りかけるように、「和久井さんは深い絶望のなかにいました」と和久井被告の胸中を語り、情状酌量を訴えた。
初めて会った「居酒屋でのオフ会」
弁護人「和久井さんは信じていた人に裏切られ、命の次に大切にしていた車とバイクはもう戻らない。多額の借金を抱え、そうした生活のすべての反動があの日、Aさんに向かってしまったのです。
Aさんと和久井さんはライブ配信で知り合い、居酒屋でのオフ会で初めて会いました。参加者は和久井さんともう1人のリスナー、そしてAさんの3人でした。その後も、和久井さんはAさんが主催した3〜4人の少人数でのオフ会に複数回参加し、バーベキューや遊園地に行った。2人でお台場に訪れたこともありました」
Aさんと被告が深い関係にあったということを強調する弁護人。そして、「Aさんが結婚の約束を反故にした」と主張するのだった。