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新宿タワマン殺人・公判シリーズ

「黙って働いてろよ暇人」和久井学被告がキャバクラ店経営女性から受けた“罵倒LINE”、被告が語った「Aさんをメッタ刺しにした瞬間の光景」【新宿タワマン殺人事件・公判】

Aさんは和久井被告の他にも1億円以上の返金を求められていたと弁護側が証言

Aさんは和久井被告の他にも1億円以上の返金を求められていたと弁護側が証言

 東京・新宿のタワーマンションの敷地内で2024年5月、元ガールズバー・キャバクラ店経営者の女性・Aさん(当時25歳)が刃物で刺され、殺害された事件。殺人などの罪に問われ起訴されていた配送業の和久井学被告(52)の裁判員裁判の第4回公判が、7月9日に東京地裁で開かれた。

 この日は、和久井被告本人から言い分を聞く被告人質問が行われ、まずは弁護人から被告人への質問があった。弁護人は、「被告人がAさんから結婚詐欺を受けた」という主張を補強するかのように、質問を重ねた。

 結婚の約束をしたと主張する被告人だが、Aさんのキャバクラ店オープンとともに、関係性は悪化したという——傍聴したライターの普通氏がレポートする。【前後編の後編。前編から読む

和久井被告が法廷で見せた“涙”

 2021年12月、Aさんはキャバクラ店をオープンさせる。その年の大晦日にAさんが、店で暴れる被告人を通報した記録が残っている。

 被告人としては、Aさんとアフターの約束をしたものの、それを断られたことで喧嘩になり、店の物を蹴ったと主張。「こんなことで通報するかなぁ」などと思ったという。

 別日に証人として出廷したAさんの元夫・Bさんは、被告人について「(暴れたのは)数えきれない」と証言した。しかし、被告人は前出・大晦日のときと、シャンパンタワーを頼んだ2022年3月に“VIP待遇”をしなかったときの2回だけだと主張した。

 アフターの約束、シャンパンタワーを頼んだ際の“VIP待遇”要求など、2人が結婚を意識するような関係性だとは到底思えない。その間、デートも、互いの家の行き来も、家族の紹介なども一切なかったという。

弁護人「そもそも結婚したあとの話などはしていたんですか」
被告人「子どもの話もしていましたし、(国指定の難病で)余命宣告をされていると聞いていたので……だんだんと動けなくなるんだろうなと思ったら……」

 体を震わせて言葉が出なくなった和久井被告。彼はこの日の被告人質問の最後まで、「気持ちの整理がついていない」として、Aさんや遺族への謝罪の言葉は述べなかった。この無言の時間、どのような感情であったのであろうか。

 言葉を発せないまま、一度休廷を挟んだ上で再開した。

弁護人「余命宣告をされて、どういう話になるんです?」
被告人「自分が介護をして、看取ってから跡を追うっていう話を」

弁護人「家計はどうすると?」
被告人「Aさんの稼ぎは知りませんが、私より稼いでいたので、Aさんの仕事のフォロー、補佐、雑用をする形にしようと」

 第2回公判で検察官らが再現した2人のLINEのやり取りでは、Aさんが被告人に「黙って働いてろよ暇人」と送るなど、Aさんの激しい口調が印象的だった。しかし、このような言葉遣いは日常的であったという。喧嘩をしても、何事もなかったようにLINEを送り、Aさんからは「店でお金(具体的な金額)を使ってよ」と連絡が来た。それでも、被告がAさんのことを好きである気持ちに変わりはなかったという。

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