国内
新宿タワマン殺人・公判シリーズ

【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】

和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”

和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”(右はAさん、インスタグラムより)

 東京・新宿のタワーマンションの敷地内で2024年5月、元ガールズバー・キャバクラ店経営者の女性・Aさん(当時25歳)が刃物で刺され、殺害された事件。殺人などの罪に問われ起訴されていた配送業の和久井学被告(52)の裁判員裁判の判決が7月14日、東京地裁であった。検察側の求刑17年に対し、「被害者の言動が原因の一端となったと言えるが、殺人を正当化する理由にならない」として、懲役15年を言い渡した。

 弁護側はこれまでの公判で、和久井被告がAさんから「結婚詐欺」的な被害にあっていたこと、お店の売上のためにお金を無心されていたことなどを理由として挙げ、懲役11年が妥当だと主張していた。判決では、Aさん側の“落ち度”は一部で認められた一方で、被告が殺人に至った経緯については「法的手段で解決すべきだった」などとしており、怒りに任せた犯行が重く捉えられたと考えられる。

 7月9日に開かれた第4回公判での検察官からの被告人質問では、和久井被告のAさんに対する異常なほどの“執着”が浮き彫りになっていた——傍聴したライターの普通氏がレポートする。【前後編の前編】

犯行の機会を探っていた数ヶ月間

 検察官は、事件当日について質問を重ねた。和久井被告はこれまでの公判で、「当日、マンションに向かった当初は殺害の意思を持っていたわけではなく、お金を返して欲しいだけだった」と主張していたが、検察官は「ナイフで脅して金銭を受け取ろうとする行為も、強盗または脅迫と評価されうる」と指摘。被告人は、「何かしらの犯罪にあたる認識はあったが、それでも金銭を取り返したい思いが強かった」と答えた。

 Aさんがライブ配信を再開していたことを、和久井被告は事件の数か月前から知っていたという。それから事件当日の夜まで、殺害に使った果物ナイフは常に車に積んでいて、来る日に備え機会をうかがっていたという。

 事件当日、Aさんのライブ配信が始まったのは車内で知った。Aさんが発した「コンビニ」という言葉を聞き、そのまま現地へ向かった。「配信中の背景映像から、以前のマンションから引っ越していないことは分かっていた」という。

関連記事

トピックス

炊き出しボランティアのほとんどは、真面目な運営なのだが……(写真提供/イメージマート)
「昔はやんちゃだった」グループによる炊き出しボランティアに紛れ込む”不届きな輩たち” 一部で強引な資金調達を行う者や貧困ビジネスに誘うリクルーターも
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
藤浪晋太郎(左)に目をつけたのはDeNAの南場智子球団オーナー(時事通信フォト)
《藤浪晋太郎の“復活計画”が進行中》獲得決めたDeNAの南場智子球団オーナーの“勝算” DeNAのトレーニング施設『DOCK』で「科学的に再生させる方針」
週刊ポスト
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
「漫才&コント 二刀流No.1決定戦」と題したお笑い賞レース『ダブルインパクト』(番組公式HPより)
夏のお笑い賞レースがついに開催!漫才・コントの二刀流『ダブルインパクト』への期待と不安、“漫才とコントの境界線問題”は?
NEWSポストセブン
パリの歴史ある森で衝撃的な光景に遭遇した__
《パリ「ブローニュの森」の非合法売買春の実態》「この森には危険がたくさんある」南米出身のエレナ(仮名)が明かす安すぎる値段「オーラルは20ユーロ(約3400円)」
NEWSポストセブン
韓国・李在明大統領の黒い交際疑惑(時事通信フォト)
「市長の執務室で机に土足の足を乗せてふんぞり返る男性と…」韓国・李在明大統領“マフィアと交際”疑惑のツーショットが拡散 蜜月を示す複数の情報も
週刊ポスト
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
高校時代にレイプ被害で自主退学に追い込まれ…過去の交際男性から「顔は好きじゃない」中核派“謎の美女”が明かす人生の転換点
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《死刑執行》座間9人殺害の白石死刑囚が語っていた「殺害せずに解放した女性」のこと 判断基準にしていたのは「金を得るための恐怖のフローチャート」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《小室圭さんの赤ちゃん片手抱っこが話題》眞子さんとの第1子は“生後3か月未満”か 生育環境で身についたイクメンの極意「できるほうがやればいい」
NEWSポストセブン
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
【独占インタビュー】お嬢様学校出身、同性愛、整形400万円…過激デモに出没する中核派“謎の美女”ニノミヤさん(21)が明かす半生「若い女性を虐げる社会を変えるには政治しかない」
NEWSポストセブン