21歳の女性・ニノミヤさん(仮称)
「未だに鮮明な記憶があるのが、ある障害のある子のことなんです。彼は障害のせいで、すぐにカッとなってしまうんです。教室の椅子を投げちゃったりするので、みんな彼の隣の席になりたくなかった。でも話してみたらすごくいい子で優しくて。彼は、悪い男子たちに煽られて、興奮させられていた。男子は激高した彼から女の子を助けて、かっこいい感じを演出していたんです。幼いながら、これに気付いた時に、何と言えばいいのかな……とにかく不快でした。
中学生の頃、彼と駅でばったり会って、そのときに言っていたのが『障害を利用されていたのが嫌で死のうと思っていたけど、助けてくれて嬉しかった』。それが個人的にすごく嬉しかったんです。この友人もそうですし、父親の兄弟にも重めの障害がある方がいることもあって、障害は私にとって身近なのでとても関心があるんです」
──なるほど。ニノミヤさんの中学生活はどのようなものでしたか。また、部活などは何をしていたのでしょうか。
「中学は受験して私立に行きました。母は私にお嬢様学校に行ってほしかったようで、その意向通りに中高一貫の女子校に進学しました。
運動は本当に苦手で、中学の部活は華道部でした。高校はそのまま華道と軽音楽部です。バンドをやって、私はギターでした。文化祭で見た先輩達がとても格好良かったので始めたんです」
──反抗期に音楽を始める人は私の世代でも多かったです。
「いえ、私には反抗期は本当になくて、周囲の言うことばかり聞いていたんです。そうしたほうが、物事がうまくいくと思い込んでいました。自分の意見は言わないようにしていたんです」
──少し話は変わりますが、ニノミヤさんは、ご自身のXのアカウント「マルクス主義」で同性愛者であることをカミングアウトしていますね。