木原龍一選手とソチ五輪でペアを組んだ高橋成美さん
元パートナー・木原選手の活躍に思うこと
その後木原選手とは2015年にペア解消。高橋さんは2018年に現役引退するが、木原選手はペアを続け、2019年からペアを組んだ三浦璃来選手とは「りくりゅうペア」として数多くの記録を叩き出し、今年2月の四大陸選手権 も優勝するなど、日本のペア史を塗り替え続けている。
そんな木原選手の活躍に、高橋さんは何を思うのか。
「やっぱり、以前組んでいた人が他の人と組んで上手くなると、自分に何かが足りなかったのかなと思ってしまうのは、“ペアあるある”。あの喜びを私が味わいたかったのにって未練たっぷりです。すごく心がソワソワして、正直、引退直後は自分を重ねたり、過去を振り返ったりすることはめちゃくちゃありました。
でも、もう乗り越えてるんです。だって自分がペアをやりたかった理由は、ペアという競技がカッコいいと思ったからで、りくりゅうペアは純粋にペアとしての感動をくれる。そっからはもう沼。りくりゅうペアの虜です」
フィギュア界へは解説者や指導者として貢献しつつ、高橋さんはタレントの道も切り拓き始めた。第3回では、セカンドキャリアと“人生のピーク”について語る。
(第3回につづく。第1回から読む)
【プロフィール】高橋成美(たかはし・なるみ)/元フィギュアスケートペア日本代表
3歳でスケートを始める。小学4年生のとき父の転勤に伴い中国へ。当地でペアを始める。
2008年から2014年にかけて全日本選手権で優勝。
2011-2012シーズンにはグランプリファイナルに日本のペアとして初めて進出、世界選手権では日本ペア初の表彰台となる銅メダルを獲得。2014年、ソチオリンピックに出場。
2018年3月に引退し、その後はJOCアスリート委員として活動しながら2021年にJOC理事に最年少で就任し、任期を経て、 2023年6月からJOC評議員・日本オリンピアンズ協会(OAJ)理事に就任。
現在は、テレビでの大会中継の解説を務めるほか、タレントとしてバラエティ番組に出演するなど、多岐にわたる活動を展開している。
「りくりゅうペアは、ペアの感動を教えてくれる」という
「海辺の町で暮らしたら、人生は変わるのか?」三浦半島に本気の移住に挑戦(高橋成美さん提供)