法人は他人の子どもを妊娠・出産する代理母を募集し、代理出産ビジネスを手がけていた(Facebookより)
「この豪邸の一室はマーク・サロガシーという法人の拠点でもあり、マーク・サロガシーの経営者がシルビアでした。サロガシー(代理出産)という言葉が表すように、法人は他人の子どもを妊娠・出産する代理母を募集し、代理出産ビジネスを手がけていたと考えられています」(同前)
代理出産では、医学的な理由で出産ができないカップルが第三者(代理母)に依頼し、体外受精した受精卵を代理母の子宮に移して子どもを妊娠・出産してもらう。日本では代理出産を禁止する法律はないが、日本産婦人科学会が認めていないため、日本で代理出産を行うことは困難だ。
「中国では代理出産が違法ですが、米国の法整備は州によって異なり、規制が緩い州もあります。外国籍のカップルが米国で代理出産を行うことを禁止する法律はなく、米国の代理出産ビジネスの市場は、中国マネーにより急速に膨らんでいると指摘する報道もある。倫理的な意味で社会問題になっています」(同前)
現地報道によると、シルビアはフェイスブックを通じて代理母を探していたようだ。
〈「私たちは不妊に悩む中国人カップル」などと話をもちかけ、ある代理母には報酬として5万5000ドル(約810万円)を支払っていたようです。この際に他にもたくさんの子供がいることを伏せていたこともあり、何らかの後ろめたい気持ちがあったことも推察されます〉(「ウォール・ストリートジャーナル」日本語訳)
豪邸で見つかった22人もの子は、代理出産により短期間でもうけていたことがわかっている。そのため2人は人身売買に関与していた疑いも持たれているが、この問題を大々的に報じているウォール・ストリートジャーナルによると、シルビアは「私たちが子どもを売ることは絶対にない」と人身売買への関与を否定。シルビアとシュエンは、「たくさんの子を持ちたかっただけ」「大家族を望むことは違法ではない」と主張している。
一方で、豪邸内には異様な光景が広がっていた。