2018年は1位を2回外して近本を指名
2020年のドラフトでは唯一の高卒ルーキーだった7位の高寺望夢は、5年目の今年になって初の開幕一軍入りを果たした。DeNA戦(5月13日)では起死回生の初ホームランを放って引き分けに持ち込むなどチームに貢献。一軍に定着している。
今年の阪神の快進撃は“神ドラフト”のお陰なのはたしかだ。実はそれ以外にも、矢野監督が在籍した4年間のドラフトで獲得した選手の活躍が目立つ。2018年のドラフトでは1位指名した藤原恭大(ロッテ)を抽選で外し、さらに辰巳涼介(楽天)を外して獲得したのが近本光司。2巡目で小幡竜平、3巡目で木浪聖也、6巡目で湯浅京己を指名。2019年には3位で及川雅貴を獲得している。2020年の神ドラフトを経て、2021年には3位で桐敷拓馬、4位で前川右京を獲得しているのだ。阪神OBが言う。
「抽選を2回も外した後に近本が指名できているし、4球団競合で佐藤輝を引き当てている。“持っている”矢野監督に感謝しないといけない。3~4年前のドラフトで獲った選手が主力になるのは当然と言えば当然だが、もともと競合を避けて隠し玉を1位にしてきた阪神はドラフト下手で有名だった。
大山悠輔や坂本誠志郎を指名した金本知憲監督の頃から改善されてきたが、ドラフトで獲得した生え抜き中心にチーム作りをするというブレない編成方針と調査力の向上が実を結んだと言える」
昨オフは大山がFA宣言して残留したが、このオフはFA権を取得した近本の動向が気になる。残留濃厚とされるが、ドラフト戦略が成功しつつある阪神が常勝球団となれるかが注目される。