自殺教唆の疑いで逮捕された濱田淑恵被告(62)
和歌山県で男性信者のAさん、Bさん2人に自殺をそそのかし、死亡させたなどとして逮捕された自称占い師・濱田淑恵被告。その信者である滝谷奈織(なぽり)被告は自殺ほう助などの罪に、寺崎佐和子被告は有印私文書偽造・同行使などの罪に問われ、それぞれ逮捕・起訴されていた。そして9月10日、滝谷、寺崎両被告の第2回公判が大阪地裁で開かれた。
信者だった両被告は、“創造主”を自称する濱田被告の強い精神的支配の下にあったといい、濱田被告の指示のもと、入水自殺の幇助や被害者の遺書の偽造などの犯罪に加担した。濱田被告は信者の前で性交してみせるなど、常軌を逸した行為をすることもあったという。
濱田被告に入水自殺を持ちかけられた時、滝谷被告は命令に従い、寺崎被告は断ったという。2人の話の内容からは、濱田被告による異様な支配の様子や、被害者2人の無念が浮き彫りになった——裁判ライターの普通氏がレポートする。【全3回の第3回。第1回から読む】
カルマの清算に2000万円
滝谷被告や寺崎被告ら、信者たちの生活費は、当初、濱田被告のカウンセリングによる収入によるものだった。しかし濱田被告の金遣いの荒さもあり、その後、信者たちは濱田被告の指示のもと、親族らに金を無心することとなった。
寺崎被告によると、「両親や寺崎被告のカルマの清算」などとして2000万円強、その他の用途も併せて合計で約3000万円を濱田被告に上納したという。逮捕時も濱田被告に渡すためとして、1500万円を用意していた。
またその間、技術者として高名であった被害男性・Aさんを中心に、オーディオの会社を設立していた。従業員はみんな信者であり、会社の売り上げは信者たちの生活費となった。後に寺崎被告が代表取締役を務めることとなったが、大型の案件が停止したことにより、事件前より経営は苦しくなっていた。
寺崎被告によると、濱田被告の身体には地球の神が降臨しており、人類と地球のカルマを清算していた。しかし、ある時から濱田被告のパートナー男性の身体に宇宙の神であるエロヒムが入ったことで、カルマの清算ができなくなったという。